事故物件の告知義務はいつまで?売買に期間の定めはない
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士過去に人の死があった福岡市内の物件を売ろうとしていて、いつまで買主へ伝えるのかを知りたい方に向けた記事です。
結論から書くと、売買には「何年たてば終わり」という区切りがありません。
よく見かける「概ね3年」は賃貸借取引についての目安で、売買には置かれていないためです。
そのため売主が決めるのは、いつまで伝えるかではなく、何をどう書くかになります。
この記事では、告知書に書く4つのこと、書いてはいけないこと、当社が売却の前にうかがう9項目を、実務の順にまとめました。
2. 自然死や不慮の事故も伝えますか?
3. 期間が過ぎたら黙ってよいのですか?
4. 告知書には何を書きますか?
5. 書いてはいけないことは何ですか?
6. 当社が売却の前にうかがうのは何ですか?
7. 相続した家で、事情が分からないときは?
8. まず何をすればよいですか?
告知はいつまで必要ですか?
売買では、期間の経過だけを理由に告げなくてよくなることがありません。
国土交通省のガイドラインは、売買と賃貸で扱いを分けています。
賃貸借取引では、その死が発覚してから概ね3年を過ぎたあとは、原則として借主へ告げなくてよい扱いです。
売買には、この区切りが置かれていません。
買主は数千万円を払い、その家に住み続ける前提で契約するからです。
5年前の事案でも10年前の事案でも、買主の判断に関わる事実であれば伝えます。
隠して売ったときに問われる責任は事故物件は売れる|告知義務の基準と隠すリスクにまとめています。
自然死や不慮の事故も伝えますか?
自然死と、日常生活の中での不慮の死は、ガイドラインでは原則として告げなくてよい死です。
老衰や持病による病死は、この自然死の側です。
転倒、入浴中の事故、食事中の誤嚥も同じ扱いになります。
例外は、発見が遅れて特殊清掃が入った場合です。
このときは自然死であっても、告げる対象に変わります。
ひとり暮らしの親を亡くした場合の進め方は孤独死のあった実家は売れる?福岡市での告知と特殊清掃に書きました。
期間が過ぎたら黙ってよいのですか?
違います。
「原則として告げなくてよい」とされた場合でも、伝える必要が出てくる場面が2つあります。
1つは、買主から事案の有無をたずねられたときです。
経過した期間にも死因にもかかわらず、聞かれたら答えます。
もう1つは、事件性・周知性・社会に与えた影響が特に高い事案です。
報道が残っている事件などは、年数がたっても伝える側に立ちます。
この2つがあるため、何年たったかを数えることに、あまり意味がありません。
告知書には何を書きますか?
書くのは、次の4つです。
- 事案が発生した時期(特殊清掃が入った場合は、その発覚の時期)
- 亡くなった場所
- 死因
- 特殊清掃などが行われたかどうか
この4つが、買主が住まいとして判断するために要る事実だからです。
当社は福岡市内で媒介契約を結ぶ日に、この告知書を売主からお預かりしています。
書いていただいた内容は、重要事項説明の場で買主へそのまま伝わります。
売り出しの直前ではなく契約の日にお願いするのは、あとから増える説明をなくすためです。
媒介契約そのものの種類は媒介契約の種類のページにまとめています。
書いてはいけないことは何ですか?
亡くなった方の氏名・年齢・住所・家族構成と、具体的な死の態様、発見の状況は書きません。
ガイドラインが、亡くなった方と遺族の名誉および生活の平穏への配慮を求めているためです。
買主が知る必要があるのは、住まいとしての事実です。
ご家族の事情まで買主に渡ることはありません。
相談の段階で、当社が近隣へ事情を聞いて回ることもありません。
当社が売却の前にうかがうのは何ですか?
告知書を書く前に、9つのことを例外なくうかがいます。
- 事故の詳細
- 発見の時期
- 発見した経緯
- 警察の判断
- 事故の原因
- 亡くなっていた場所
- 腐敗の状況
- 発見までの流れ
- 特殊清掃の有無
ここで集めた事実が、そのまま告知書の土台です。
死因の種類によって、告知の重さも買主候補の集まり方も変わります。
自殺・病死・孤独死・事件は、同じ「事故物件」という言葉でまとめられがちです。
実際には、告知に書く内容も、買い手の反応も別のものになります。
だからまず、何があったのかを正確に調べるところから始めます。
価格がどう動くかは福岡市の事故物件は買取で手放せる?価格の目安と進め方に書きました。
告知が要る物件でも、価格の出発点は福岡市7区の売却相場に出ている中央値です。
相続した家で、事情が分からないときは?
分かる範囲を書き、分からないところは分からないと書きます。
宅地建物取引業者は、売主に告知書へ記載を求めることで、通常の調査を果たしたものとされています。
周辺住民への聞き込みや、インターネットの掲載サイトを調べることまでは求められていません。
つまり、売主が書かなければ、誰も気づかないまま契約に進むことになります。
相続で引き継いだ家では、親が何も言い残していないことも多いです。
その場合は、当社が登記や管理の記録から確かめられる範囲を調べ、残りは推測を混ぜずに書きます。
まず何をすればよいですか?
順番は、事実を集める、告知書に書く、売り方を決める、の3つです。
何年たったかを数えるところから入ると、売買では答えが出ません。
先に決まるのは期間ではなく、書く内容のほうです。
何をどこまで書くか迷う段階でしたら、15分の無料相談でうかがいます。
価格の見当からつけたい場合は、無料査定をご利用ください。
事案の内容を先に整理しておくと、査定の数字も一度で出せます。
