リースバックの押し買い勧誘|断ったあとも続くとき
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士高齢の親がリースバックの勧誘を受けている、というご家族に向けた記事です。
断ったはずなのに電話が続く、約束もなく訪ねてくる、という状況を想定しています。
宅地建物取引業法は、しつこい勧誘そのものを禁じています。
いったん断る意思を示した相手に勧誘を続ける行為は、それだけで法令の違反です。
気づまりでも我慢する話ではなく、行政庁へ通報できる話になります。
この記事では、何が違反にあたるのか、福岡県ではどこへ伝えるのか、そして契約してからでは戻せない理由を書きます。
2. 断るときは、何と言えばよいですか?
3. 2026年10月からの新しい決まりで、勧誘は減りますか?
4. 福岡県では、どこに伝えればよいですか?
5. 契約してしまったら、あとから戻せますか?
6. 家族として、今日できることは何ですか?
どこからが「しつこい勧誘」で違反になりますか?
契約しない意思を伝えたあとも勧誘を続けた時点で違反です。
宅地建物取引業法47条の2と、その委任を受けた施行規則が、勧誘のしかたを細かく縛っています。
禁じられている行為には、次のものがあります。
- 勧誘に先立って、会社名・担当者の氏名・勧誘の目的を告げずに勧誘すること
- 契約しない、もう勧誘を受けたくない、という意思を示した相手に勧誘を続けること
- 利益が確実に出ると誤解させるような、断定的な判断を伝えること
- 将来の環境や交通の利便について、断定的な判断を伝えること
- 相手を威迫すること
- 正当な理由なく、契約するかどうかを考える時間を与えないこと
- 迷惑を覚えさせるような時間に電話をかけ、または訪問すること
- 深夜や長時間の勧誘など、私生活や仕事の平穏を害する方法で困らせること
- 申込みを撤回するときに、すでに受け取った預り金の返還を拒むこと
- 手付を放棄して契約を解除しようとする相手を、正当な理由なく拒み、または妨げること
最初の2つが、ご家族からの相談で最も多い形です。
名乗らずに世間話から入り、断ったあとも通い続ける、という組み合わせになります。
ここで押さえておきたいのは、断る理由を説明する義務が売主の側に無い点でしょう。
「結構です」の一言で、その後の勧誘は違反に変わります。
断るときは、何と言えばよいですか?
「契約しません」「今後の勧誘も不要です」の2つを、はっきり伝えてください。
あいまいな断り方だと、相手は検討中と受け取ります。
「考えておきます」「家族と相談します」は、断る意思の表示になりません。
伝えた日付と、相手の会社名・担当者名をメモに残しておきましょう。
通報する段になると、この記録がそのまま材料になります。
電話であれば、誰がいつ何を言ったかを1行ずつ書けば十分です。
録音まで取る必要はありません。
2026年10月からの新しい決まりで、勧誘は減りますか?
勧誘そのものが減るかは分かりませんが、隠したまま契約させることは難しくなります。
2026年10月1日から、リースバックを扱う会社は賃貸借の内容も告げないと違反になります。
家賃・契約期間・修繕費の負担・買戻しの条件が、告げるべき事項に加わりました。
売買で4項目、賃貸借で16項目、合わせて20項目です。
これまで説明が後回しになりがちだった部分が、契約前に出てくる形へ変わります。
制度の全体像はリースバックの新ルール総まとめにまとめました。
実際にどんな相談が起きているのかはトラブルの4類型をご覧ください。
福岡県では、どこに伝えればよいですか?
相手の免許を出した行政庁が窓口で、福岡県知事免許なら福岡県 建築都市部 建築指導課 不動産業係です。
電話番号は092-643-3718になります。
複数の都道府県に事務所がある会社は国土交通大臣免許なので、窓口は九州地方整備局です。
どちらかは、名刺や書面に書かれた免許番号で分かります。
免許番号が「福岡県知事」で始まっていれば県、「国土交通大臣」で始まっていれば整備局が担当します。
ちなみに当社の免許は福岡県知事(1)第19722号なので、当社に問題があれば福岡県が窓口です。
消費生活センターへ相談する道もあります。
消費生活センターに寄せられた相談はPIO-NETという全国のネットワークに登録され、免許を出した行政庁にも共有される仕組みです。
宅建業法の話か消費者トラブルの話かを、こちらで切り分けなくて構いません。
福岡県知事が行った行政処分は、県のサイトで公表されています。
勧誘してきた会社の名前を、そこで一度確かめておいてください。
契約してしまったら、あとから戻せますか?
戻せる保証はないので、契約する前に止めるのが確実です。
宅地建物取引業法にはクーリング・オフの制度がありますが、これは業者から不動産を買った人を守るものになります。
リースバックで自宅を売る側は、この制度の対象ではありません。
売買契約を結び、代金を受け取り、所有権を移した先で「やはりやめます」とは言えないのです。
当社にも、契約を済ませてから相談に来られる方がいらっしゃいます。
代表の野上は個人間売買のトラブル相談も受けてきましたが、契約済みの段階でできることは多くありません。
だからこそ、勧誘を受けている段階で家族に共有してほしいと考えています。
家族として、今日できることは何ですか?
親に「断ったかどうか」を確かめて、断っていなければ一緒に断ってください。
そのうえで、勧誘の記録を残す、免許番号を控える、の2つを進めます。
そもそも売る必要があるのかを、勧誘とは切り離して考える手もあるでしょう。
リースバックの仕組みそのものはリースバックの仕組みと契約前に知る3つのリスクにまとめています。
仲介で普通に売った場合の金額と並べたいときは、仲介・買取・リースバックの比較をご覧ください。
今いくらの家なのかは、無料査定でお出しします。
勧誘の内容が妥当かどうかだけを見てほしい、というご相談も15分の無料相談で承ります。
当社に売らないという結論でも、費用はいただきません。
