不動産売買契約書の印紙税はいくら?軽減措置とは
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士福岡市で自宅を売却するとき、媒介契約から契約直前まで進んだ売主が次に気になるのが、契約書に貼る収入印紙の金額です。
不動産の売買契約書は印紙税法上の課税文書にあたり、契約書に記載された金額に応じて印紙税がかかります。
結論から言うと、福岡市で取引される戸建てやマンションの多くは契約金額1,000万円超5,000万円以下にあたり、印紙税は1万円で済みます。
この軽減措置が使えるのは2027年3月31日までです。
期限を過ぎれば、税額は軽減前の水準に戻ります。
一方、電子契約であれば印紙は必要ありません。
この記事で説明するのは、価格帯ごとの印紙税額、軽減措置の期限、電子契約を選んだ場合の扱いです。
2. 不動産売買契約書の印紙税はいくらか【価格帯早見表】
3. 軽減措置はいつまで使えるか
4. 契約書を電子化すれば、印紙は本当に不要になるか
5. 契約前に確認しておきたいこと
印紙税とは、そもそも何にかかる税金か
印紙税は、法律で定められた「課税文書」を作成したときにかかる税金です。
不動産の売買契約書はこの課税文書にあたり、契約書に記載された契約金額の大きさによって税額が変わります。
契約書に消費税額が区分して記載されている場合、その消費税額は印紙税の記載金額に含まれません。
この扱いが関係するのは、事業者が売主となる新築建売や分譲地の契約です。
出典:国税庁 No.7124 消費税額等が区分記載された契約書
納税義務を負うのは、契約書を作成した売主と買主です。
実務では売主用と買主用の契約書をそれぞれ1通ずつ作成し、それぞれの保有者が自分の契約書に印紙を貼ります。
折半で1通分を分け合うのではなく、売主・買主がそれぞれ自分の契約書の印紙代を負担する形です。
不動産売買契約書の印紙税はいくらか【価格帯早見表】
契約書に書かれた金額が1,000万円を超え5,000万円以下なら、印紙税は1万円です。
5,000万円を超え1億円以下であれば、印紙税は3万円になります。
国税庁が定める軽減後の印紙税額を、価格帯ごとにまとめました。
| 契約書に記載された金額 | 印紙税額(軽減後) |
|---|---|
| 50万円以下 | 200円 |
| 50万円超100万円以下 | 500円 |
| 100万円超500万円以下 | 1千円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5千円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 6万円 |
福岡市博多区で取引されたマンションのうち、3LDK系の中央値は2,700万円で、直近では127件の取引があります(福岡市博多区の相場)。
この価格帯であれば、契約書1通あたりの印紙税は1万円です。
土地代金と建物代金を分けて1通の契約書に書く場合も、印紙税は合算した金額で判定します。
例えば土地3,000万円、建物1,500万円と記載されていれば、合計4,500万円として1万円の枠に入ります。
金額を分けて書いても、印紙税が別々にかかるわけではありません。
軽減措置はいつまで使えるか
この軽減措置の期限は2027年3月31日です。
期限までに契約書を作成すれば、上の表の金額がそのまま適用されます。
軽減措置は平成26年(2014年)に始まり、これまで数次にわたって延長されてきました。
期限を過ぎて作成された契約書は、軽減前の本則の税率に戻ります。
例えば1,000万円超5,000万円以下の契約書であれば、軽減後の1万円から本則の2万円に上がります。
上がる金額は数千円から数万円ほどで、仲介手数料など他の費用に比べれば負担は限られたものです。
契約日をいつにするかは、引き渡し時期を調整できる売主にとって判断材料のひとつです。
契約書を電子化すれば、印紙は本当に不要になるか
電子契約であれば、印紙税はかかりません。
印紙税法が対象とする「文書」は紙で作成されたものを指し、電磁的記録はこの対象に含まれないためです。
国税庁は、契約書を実際に相手方へ交付した時点で課税文書が「作成」されたとみなしています。
当社が電子契約で不動産売買契約を結んだときも、製本・印紙の購入・郵送がまとめて不要になりました。
契約締結後は、売主・買主・当社の全員に完了報告とPDFが届き、ダウンロードするだけで保存が終わります。
ただし電子契約を選ぶには、売主と買主の双方の合意が必要です。
どちらか一方でも紙の契約書を希望すれば、通常どおり印紙を用意します。
契約前に確認しておきたいこと
契約書の金額は媒介契約の時点でおおよそ固まるため、この段階で印紙税額の見当もつきます。
印紙税は数千円から数万円程度であり、数十万円かかる仲介手数料や登記費用と比べると、負担はかなり小さいものです。
印紙税を含めた売却時の費用全体は、手取りの試算で確認できます。
契約に必要な書類をまとめたのが、売却に必要な書類のページです。
契約を含めた売却全体の流れは、売却の流れで確認できます。
