福岡市の事故物件は買取で手放せる?価格の目安と進め方
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士福岡市内に持っている物件で人が亡くなり、その家をどう手放すか決めかねている売主に向けた記事です。
まず結論から。
事故のあった物件でも、不動産会社への買取で手放せます。
ただし価格は相場の3〜5割になることが多く、事故のない物件の買取(相場の5〜7割)よりさらに下がります。
下がるかわりに手に入るのが、広告も内覧もない引き渡しまでの道のり。
当社は福岡市博多区千代に事務所を構え、事故のあった物件のご相談をお預かりしてきました。
買取に出す前に売主へ必ずうかがう項目と、価格の分かれ目になるところを、実務の順にご説明します。
2. 買取価格はどれくらい下がりますか?
3. 価格の分かれ目はどこにありますか?
4. 死因の種類で結果はどう変わりますか?
5. 買取なら告知しなくてよいのですか?
6. 近所に知られずに売れますか?
7. まず何をすればよいですか?
事故物件は買取で手放せますか?
手放せます。
買主になるのは個人ではなく不動産会社なので、内覧も広告も行いません。
当社が買取を進めるときは、買主候補の会社へ10社以上、声を掛けます。
1社に断られても、別の会社が引き受けることがあるからです。
断られる分かれ目は、特殊清掃の有無・事件事故の内容・発見までの期間・物件の相場など、要因はさまざま。
ただし殺人事件のあった物件は別で、当社の実務では買い手がつきません。
買取という手段そのものが使えないため、この記事に書く3〜5割という目安も当てはまらないものと考えてください。
仲介・買取・リースバックの違いは3つの売り方の比較にまとめています。
買取価格はどれくらい下がりますか?
目安は相場の3〜5割です。
事故のない物件の買取が相場の5〜7割ですから、そこからさらに2割ほど落ちる形になります。
福岡市博多区の3LDKのマンションを例に、金額に置き換えてみます。
国土交通省の取引価格情報から当社が集計した中央値は、65㎡で2,700万円でした。
集計の対象は2024年第2四半期から2026年第1四半期までの127件です。
この部屋なら、事故がなければ買取で1,350万〜1,890万円。
事故があると810万〜1,350万円が目安になります。
同じ部屋でありながら、500万円前後の差が付く計算です。
区によって分母がここまで違う話は、事故物件はいくら下がる?福岡市7区の相場から考えるで7区を並べました。
区ごとの相場は博多区の相場ページで確かめられます。
価格の分かれ目はどこにありますか?
死因と、亡くなってから発見までの期間です。
当社は買取に出す前に、次の9つを例外なく売主へうかがいます。
- 事故の詳細
- 発見の時期
- 発見した経緯
- 警察の判断
- 事故の原因
- 亡くなった場所
- 腐敗の状況
- 発見までの流れ
- 特殊清掃の有無
立ち入ったことをうかがうようで心苦しいのですが、ここを曖昧にしたまま話を進めると、あとから価格を引き下げられます。
買主候補の会社は、この9つを見て金額を決めているからです。
先にすべてそろえておけば、10社に同じ条件で見てもらえます。
逆に、後から出てきた事実が1つあるだけで、まとまりかけた話は振り出し。
死因の種類で結果はどう変わりますか?
自殺・病死・孤独死のどれかによって、価格も告知の扱いも変わります。
「事故物件」とひとくくりにされがちですが、実際には幅があるためです。
国土交通省のガイドラインは、老衰や持病による病死などの自然死を、原則として告げなくてよいとしています。
階段からの転落や誤嚥のような、日常生活の中での不慮の死も同じ扱いです。
ただし発見が遅れて特殊清掃が入った場合は、自然死であっても告知の対象になります。
孤独死で価格が大きく動くのは、この特殊清掃の有無が境目にあるからです。
当社はまず死因と発見の経緯を調べ、どちらに当たるかを売主へお伝えします。
ここでも殺人事件だけは、目安の外にあるものとお考えください。
買取なら告知しなくてよいのですか?
買取でも仲介でも、告知の扱いは変わりません。
告知は売り方ではなく、宅地建物取引業者が負う義務だからです。
買主が不動産会社になっても、伝える内容は同じ。
賃貸では、発覚から概ね3年を過ぎた後は原則として告げなくてよい、とガイドラインに書かれています。
売買には、この「概ね3年」にあたる期間の定めがありません。
何年前の出来事であっても、買主の判断に影響する事案なら伝えます。
隠して売れば、契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約の解除につながります。
告知の基準そのものは事故物件の告知義務をまとめた記事に書きました。
近所に知られずに売れますか?
買取であれば、広告も内覧もありません。
チラシもポータルサイトへの掲載も行わないので、近隣の方が知る機会がないためです。
仲介の場合も、掲載をしない非公開での売却をご案内できます。
当社が福岡市中央区の相続マンションをお預かりしたときは、事故があったため査定額が通常の相場より下がりました。
それでも様々な買主候補を探し、売出価格に近い価格で契約に至っています。
買取だけが答えとは限りません。
この案件の経緯は売却事例のページに載せています。
まず何をすればよいですか?
先ほどの9項目を、思い出せる範囲で書き出してください。
警察から受け取った書類や、特殊清掃の見積書が残っていれば、それも一緒に。
そろっていない項目があっても構いません。
当社が聞き取りながら整理しますので、分かるところまでで結構です。
そのうえで、買取の金額と、仲介で売り出した場合の見込みを並べてお出しします。
数字を見てから、どちらで進めるかを決めていただけます。
ご相談は無料査定から、話だけ聞いてみたい方は15分無料相談をお使いください。
事故物件の売却の全体像は事故物件・訳あり物件の売却にまとめています。
