毎週のように届く「価格変更」の通知に、焦りを感じていませんか?
「今週も内覧予約が入らなかった」
「近所の似たようなマンションが、うちより安く売り出された」
販売開始から3ヶ月が過ぎ、媒介契約の更新時期が近づくと、どうしても「価格」の二文字が頭をよぎるようになります。
しかし、ここで焦って「とりあえず50万円下げて様子を見よう」と判断するのは、少し待ってください。
実は、その「とりあえずの値下げ」が、かえって売却を長引かせる原因になることがあるのです。
この記事では、博多区吉塚エリアで多くの売却相談を受けてきた「おもいで不動産」が、感情論ではなく「データと戦略」に基づいた価格改定のルールを解説します。
売れない原因が「囲い込み」や「広告不足」ではなく、純粋に「価格と市場のミスマッチ」にあるとはっきりした場合、具体的にどう動くべきか。
痛みを伴う決断だからこそ、最大の効果を得るための「正しい下げ方」を知ってください。
1. なぜ「小刻みな値下げ」は逆効果なのか?(五月雨式の罠)
売主様の心理として、「できるだけ高く売りたい」と願うのは当然のことです。
そのため、心理的な抵抗感から「まずは30万円」「次は50万円」と、少しずつ小出しに価格を下げてしまうケースがよく見られます。
これを不動産業界では「五月雨(さみだれ)式の値下げ」と呼びますが、実はこれが一番の悪手となり得ます。
理由は大きく分けて2つあります。
「まだ下がるかも」という心理を植え付ける
スーパーの閉店セールを想像してみてください。
「毎日少しずつ値下がりしている商品」を見ると、買い手は「明日になればもっと安くなるんじゃないか?」と期待して、購入を先送りします。
不動産も同じです。
履歴に残るような小刻みな値下げを繰り返すと、購入検討者に「売り急いでいる」「人気がない物件」という印象を与えてしまい、足元を見られやすくなります。
「新着通知」のインパクトが弱い
SUUMOやat homeなどのポータルサイトでは、価格変更があった際に「お気に入り登録」をしているユーザーへ通知が届きます。
しかし、その下げ幅が少額(例えば3,000万円の物件で30万円など)だと、通知を受け取ったユーザーは「誤差の範囲」と捉え、再検討のテーブルに乗せてくれません。
過去に一度その物件を「高い」と判断してスルーした人を振り向かせるには、「おっ、この価格ならアリかも!」と思わせるだけのインパクトが必要です。
価格改定は「守り」ではなく、市場に再アプローチするための「攻めのカード」です。
このカードは何度も切るものではなく、ここぞというタイミングで大きく切るのが鉄則です。

2. 検索条件の「枠」を意識する(ポータルサイト攻略)
では、具体的に「いくら」下げれば良いのでしょうか。
ここで重要になるのが、購入検討者がポータルサイトで物件を探すときの「検索条件」です。
吉塚や千代エリアで物件を探している方は、必ず「予算の上限」を設定して検索しています。
この予算設定は、システムの仕様上、きりの良い数字(500万円単位や1,000万円単位)で区切られていることがほとんどです。
「2,980万円」と「3,080万円」の決定的な違い
例えば、現在あなたが 3,180万円 でマンションを売り出しているとします。
もし 100万円下げて「3,080万円」 にした場合、どうなるでしょうか。
もともと「予算3,500万円以下」で探していた人には「少し安くなったな」と気づいてもらえます。
しかし、「予算3,000万円以下」で検索している新規の層には、依然としてあなたの物件は表示されません。
一方で、思い切って 200万円下げて「2,980万円」 にした場合はどうでしょう。
これまであなたの物件を見たことがなかった「予算3,000万円以下」の層の検索結果に、初めてあなたの物件が「新着」として表示されます。
これが「検索レンジ(価格帯の壁)を越える」ということです。
ターゲット層をガラリと変える
既存の検討者(一度スルーした人)だけを相手にするのか、それとも全く新しい検討者を呼び込むのか。
値下げの効果を最大化するには、今の価格がどの「検索レンジ」に含まれていて、あといくら下げれば「下のレンジ」の層に届くのかを計算する必要があります。
特に実需層(マイホームを探している方)が多い吉塚エリアでは、住宅ローンの借入限度額ギリギリで探している方も多く、この「区切り」をまたぐ効果は絶大です。

3. タイミングは「木曜日」が勝負。週末の予定を埋める戦略
値下げの金額が決まったら、次は「いつ」実行するかです。
ここにも、不動産営業の現場ならではのセオリーがあります。
おすすめは、「木曜日」までの価格変更です。
なぜ金曜日では遅いのか?
多くの不動産ポータルサイト(SUUMOなど)では、不動産会社が情報を入力してから、実際にユーザーの画面に反映されるまでにタイムラグがあります。
また、多くの購入検討者は、週末(土日)の内覧に向けて、金曜日の夜には「どの物件を見るか」の作戦会議を終えています。
もし金曜日の夜に価格変更を行うと、サイトへの反映が土曜日の朝になってしまうことがあります。
これでは、土曜日の内覧スケジュールには間に合わず、せっかくの「新価格」のインパクトが半減してしまいます。
理想的な週末への流れ
最も反響が期待できるスケジュールは以下の通りです。
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木曜日: 価格変更の手続きを完了し、ポータルサイトへの反映を済ませる。
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金曜日: 「価格変更のお知らせ」や「新着メール」が検討者に届く。会社帰りの電車や自宅でチェックしてもらう。
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土曜日: 朝一番で不動産会社に問い合わせが入る。
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日曜日: 実際に内覧に来てもらう。
このように、週末の案内につなげるためには、逆算して「木曜日」に情報を確定させておく必要があります。
また、このタイミングに合わせて、物件写真の差し替えやコメントの修正も行うと、より「新鮮な物件」としてアピールできるでしょう。

4. それでも売れない場合の「最終防衛ライン」
戦略的に価格を見直し、タイミングも計算した。
それでもなお、反響がない場合もあります。
それは、物件の価値の問題というよりは、現在の市場ニーズと物件の条件(築年数や立地など)が、どうしても噛み合っていない可能性があります。
精神的な負担を減らす選択肢
売却活動が長期化すると、毎週の掃除や内覧対応、そして「いつ売れるのか」という不安で、精神的に疲弊してしまいます。
もし、これ以上の値下げが住宅ローンの残債割れ(オーバーローン)を招く恐れがある場合や、半年以上も売却活動が続いている場合は、「仲介」にこだわらず「買取」への切り替えを検討するのも一つの手です。
価格は市場相場の7〜8割程度になりますが、売却が確定する時期と金額が明確になるため、次の生活設計が立てやすくなります。
「いつ終わるかわからないマラソン」を走り続けるのが辛くなった時は、ゴールテープの位置を自分で動かすことも、立派な戦略です。
▼ あわせて読みたい:査定額が安くてショック…その金額、実は「買取」ではありませんか?
まとめ:価格変更は「前向きな調整」です
値下げは、売主様にとって身を切るような辛い決断だと思います。
「あの時もっと高く売れていれば」という後悔もあるかもしれません。
しかし、不動産売却において最も大切なのは、過去の価格ではなく「今、目の前にいる買い手」と巡り合うことです。
適切な価格改定は、あなたの物件を「売れ残り」から「今一番のお買い得物件」へと生まれ変わらせるチャンスでもあります。
株式会社おもいで不動産では、単に「売れないから下げましょう」という提案はいたしません。
「この価格帯なら、吉塚エリアで探している〇〇層に届くはずです」という根拠を持って、あなたの大切な資産の着地点を一緒に考えます。
まずは、今の価格が「検索の壁」のどこにあるのか、そこから確認してみませんか?
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