賃貸仲介を業務委託でする仕事とは|福岡での動き方
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士賃貸仲介の店舗で働きながら、「業務委託で同じ仕事をすると、何が変わるのか」が気になっている方もいるでしょう。
この記事は、住居の賃貸仲介の実務経験があり、会社を移るか、エージェントとして働くかを比べている方に向けて書きました。
判断の材料にしていただきたいのは、反響の取り方、時間の使い方、手数料の上限、そして書類を誰が持つかの4点です。
当社(株式会社おもいで不動産・福岡市博多区)がいま募集している住居の賃貸エージェントの仕事の範囲も、あわせて書いておきます。
2. 賃貸の仲介手数料の上限はいくら?
3. 福岡市の賃貸は、いつ動いていつ止まる?
4. 重要事項説明・契約書・保証会社のやり取りを会社が担う意味は?
5. おもいで不動産の住居の賃貸エージェントは何をする?
6. 応募の前に確かめておきたいことは?
賃貸仲介を業務委託でやると、店舗勤務と何が変わる?
いちばん大きく変わるのは、反響を「待つ」立場から「自分で取りに行く」立場になることと、1日の時間を自分で組み立てることの2つです。
物件を探し、内見に案内し、条件を詰めて申込みにつなぐ流れそのものは、店舗でも業務委託でも同じです。
違うのは、その流れの入口と、流れの外側にある時間の使い方にあります。
店舗で身に付けた案内や交渉の腕は、業務委託になってもそのまま使えます。
反響の取り方:店の看板から、自分の看板へ
店舗勤務では、ポータルサイトへの掲載や駅前の看板から来る反響を、会社が営業に割り振るのが一般的です。
業務委託のエージェントは、ご自身での集客が仕事の土台になります。
前のお客様からの紹介、法人の社宅の担当者とのつながり、オーナー様からの募集の相談、SNSでの発信など、入口を自分で持つ形です。
店舗にいた頃のように、ポータルからの問い合わせが毎日一定数届く前提では組めません。
当社も、当社サイトに届いた反響を状況に応じてお渡しします。
ただし、反響の量を約束する制度ではありません。
ここを「会社が客を回してくれる」と受け取って参画すると、最初の数か月で苦しくなるので、先にお伝えしています。
時間の使い方:朝礼・日報が無いぶん、空白も自分のもの
当社には、出社義務・朝礼・日報・ノルマがありません。
内見を夕方や土日に寄せ、平日の日中をオーナー様回りに充てるといった組み方は、エージェントご自身が決めます。
裏返すと、何もしなかった日の穴埋めをしてくれる人もいません。
店舗では来店の波に合わせて自然に予定が埋まりますが、業務委託では予定を埋める作業から仕事が始まります。
たとえば、平日の午前は管理会社やオーナー様への連絡、午後は物件の確認、夕方以降と週末は内見、という組み方が考えられます。
どの形が合うかを決めるのは、お持ちのお客様の層と、集客の入口。
賃貸の仲介手数料の上限はいくら?
住居の賃貸借の仲介手数料は、国土交通省の告示で、貸主と借主から受け取る合計が借賃の1か月分(消費税を含めて1.1か月分)までと決まっています。
さらに居住用の建物では、依頼者の一方から受け取れるのは、承諾が無ければ借賃の0.5か月分(消費税込みで0.55か月分)までです。
業務委託で賃貸をやるかどうかを考えるとき、この上限が収入の天井を決める前提になります。
告示の中身:合計1か月分と、一方からは0.5か月分
国土交通省の「解釈・運用の考え方」は、0.5か月分を超えて受け取るための承諾は、媒介の依頼を受ける時点で得ておく必要があるとしています。
依頼を受けたあとに承諾をもらっても、例外には当たりません。
承諾があっても、貸主と借主から受け取る合計が1.1か月分を超えることは認められていません。
借賃が月8万円の部屋なら、1件の仲介で受け取れる手数料の合計は8万8,000円が上限です。
同じ部屋を貸主側と借主側の両方で仲介しても、この合計の上限は変わりません。
また告示は、依頼者から特に頼まれた広告の料金などを除き、報酬とは別の名目で料金を受け取ることを認めていません。
成り立たせ方の考え方:1件の大きさより、件数と入口の数
売買と比べると、賃貸の1件あたりの手数料は上限そのものが小さく設計されています。
そのため賃貸のエージェントが組み立てる軸は、1件の単価ではなく、成約の件数と反響の入口の数。
入居者の部屋探しだけに頼ると、問い合わせが落ちる月に手が止まります。
法人の社宅の仲介は、担当者との関係が続く限り、異動の時期ごとに相談が来る入口になります。
そこで持っておきたいのが、オーナー様から募集の相談を受ける側(元付け)の入口と、社宅を探す法人の入口です。
この2つがあると、季節の波を均しやすくなります。
当社の業務委託料は、成約した賃貸借で当社が受け取る仲介手数料に応じてお支払いします。
一方で、月額のサポート利用料は成約の無い月も同じ額です。
率と月額の金額は、面談で契約書の全文と一緒にお見せします。
当社は、一定の収入を保証しません。
収入は活動量と経験によって大きく変わります。
福岡市の賃貸は、いつ動いていつ止まる?
福岡市は大学や専門学校が多く、進学・就職・転勤で人がよく動く街です。
一般に、住居の賃貸の問い合わせは1〜3月に集中し、それ以外の月は落ち着きます。
この波をどう使うかで、業務委託の1年の形が決まります。
1〜3月の繁忙期:内見と申込みを回し切る
春に動くのは、福岡市内の学校へ進学する学生と、新しく働き始める方、それに4月の異動で福岡へ来る転勤の方です。
この時期は、内見の日程を詰め、申込みから入居までを途切れさせないことが成果に直結します。
同じ部屋に申込みが重なる時期でもあり、申込みの順番や条件の確認を早く正確に回せるかで、お客様の信頼が分かれます。
業務委託で書類まで自分で抱えると、削られるのは内見の時間。
当社が書類まわりを引き受けているのは、この時期のエージェントの時間を案内と交渉に残すためです。
4月以降の落ち着いた月:オーナー様の相談を積み上げる
問い合わせが落ち着く月は、空室を抱えるオーナー様と話す時間に充てられます。
募集条件の見直し、写真の撮り直し、入居の条件の緩め方など、次の繁忙期に向けた提案ができるのはこの時期です。
空室が長引く理由が賃料・設備・写真・条件のどこにあるかを切り分けて伝えられると、相談は次の募集の依頼につながります。
秋の転勤や、年の途中の住み替えの相談も、落ち着いた月の入口になります。
1年が回るのは、繁忙期に動き切ることと、落ち着いた月に相談を積み上げることの両方がそろったとき。
重要事項説明・契約書・保証会社のやり取りを会社が担う意味は?
当社では、重要事項説明書と賃貸借契約書の作成、重要事項説明の実施、保証会社・管理会社との書類のやり取りを会社が担います。
エージェントが集中できるのは、お客様と物件の前に立つ時間です。
もう1つの意味は、契約の当事者と、書類の責任を持つ者を一致させることにあります。
重説を当社の宅建士が行う理由
当社のエージェントは当社の従業者名簿に登載し、従業者証明書を交付します。
お客様との媒介契約の当事者は当社で、手数料も全額が当社名義での入金です。
契約の当事者が当社である以上、重要事項説明の中身にも当社が責任を持つ形が筋だと考えています。
そのため重要事項説明は当社の宅地建物取引士が行い、エージェントには同席をお願いしています。
説明の準備に使っていた時間を、内見や条件の交渉に回せるのも、この分担の効き目です。
宅地建物取引士の資格は歓迎ですが、応募の必須条件ではありません。
保証会社・管理会社との書類を手放すと、何が軽くなるか
賃貸の申込みから入居までは、保証会社の審査、管理会社との条件の確認、鍵の受け渡しの段取りなど、細かなやり取りが続きます。
ここで書類が1枚止まると、何が起きるか。
入居日がずれ、お客様にもオーナー様にも迷惑がかかります。
当社はこの書類のやり取りと、広告表示のチェック、レインズでの物件情報の確認を引き受けます。
クレームや紛争になったときの対応も会社の担当です。
1人で全部を背負わずに済むことが、業務委託で賃貸を続けるうえでの支えになります。
おもいで不動産の住居の賃貸エージェントは何をする?
当社の住居の賃貸エージェントの仕事は、アパート・マンション・戸建ての部屋探しのご案内から、オーナー様の入居者募集の相談までです。
募集するのは1名で、業務委託(完全歩合制)・専業のみ、活動エリアは福岡県内(主戦場は福岡市)としています。
エージェントが担うことと、会社が担うこと
エージェントに担っていただくのは、次の6つ。
- 問い合わせ・来店の対応と物件の提案
- 内見のご案内
- 入居条件の交渉
- 申込みから入居までの調整
- オーナー様への募集条件の提案
- ご自身での集客
会社が担うのは、次の6つです。
- 重要事項説明書・賃貸借契約書の作成
- 重要事項説明の実施
- レインズ・物件情報の確認
- 広告表示のチェック
- 保証会社・管理会社との書類のやり取り
- クレーム・紛争対応
境界を先に決めておかないと、結局すべてを自分でやることになるからです。
応募の条件と、対象になる経験
応募の条件は1つ、住居の賃貸仲介の実務経験。
賃貸仲介の店舗での営業、法人の社宅の仲介、賃貸管理会社での入居者募集(客付け)のご経験が対象になります。
賃貸管理の事務だけ、問い合わせの受付だけのご経験は、今回の対象に含めていません。
歓迎するのは、宅地建物取引士の資格、福岡市内での賃貸営業の経験、管理会社やオーナー様とのつながりです。
副業や他社との兼務はお断りしているので、在職中の方は移るときの段取りも含めて面談でご相談ください。
応募の前に確かめておきたいことは?
応募の前に確かめておいていただきたいのは、人数に上限があることと、お金の流れが二方向あることの2点です。
どちらも、参画してから「聞いていなかった」とならないよう、面談の前に知っておいてほしい点です。
なぜ1名だけの募集なのか
宅地建物取引業法では、事務所ごとに従業者5名につき1名以上の専任の宅地建物取引士を置くことになっています。
当社は専任の宅建士が代表1名の体制なので、エージェントは3職種あわせて3名までしかお迎えできません。
住居の賃貸・テナント(事業用)の賃貸・売買を1名ずつにしているのは、このためです。
人数を増やすためだけに、応募の条件を下げることはしません。
お金の流れと、面談でお見せするもの
当社からエージェントへは、成約した仲介手数料に応じた業務委託料をお支払いします。
エージェントから当社へは、月額のサポート利用料をお支払いいただきます。
初期費用・加盟金・中途解約の違約金はありません。
率と月額の金額は、面談で契約書の全文と一緒にお見せし、持ち帰ってご検討いただけます。
成約の無い月も月額の費用がかかる以上、最初の数か月をどう過ごすかの見通しは、参画の前に立てておいてください。
制度の全体と応募の流れはエージェント募集のページに、住居の賃貸の職種の詳細は住居の賃貸エージェントの募集ページにまとめています。
店舗や事務所の賃貸に関心がある方はテナントの賃貸エージェント、売買に移りたい方は売買エージェントのページもご覧ください。
話を聞くだけでも構いませんので、応募フォームからご連絡ください。
