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手続き・書類公開 2026.09.11

リースバックの家は買い戻せる?契約書で確かめる条件

野上俊彦執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
野上俊彦執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士

リースバックで自宅を売ったあとにその家を買い戻せるかどうかは、契約書に買い戻しの取り決めが書かれているかで決まります。

担当者が口頭で「いつでも買い戻せますよ」と言っていても、それだけでは買い戻す権利になりません。

この記事は、福岡市とその周辺で自宅のリースバックを検討していて、いずれ買い戻したいと考えている方に向けて書いています。

順に説明するのは、買い戻しの取り決めの形・契約書の読みどころ・期間と資金の見積もり方の3つです。

リースバックそのものの仕組みはリースバックでの売却にまとめてあります。

目次1. リースバックした家は、本当に買い戻せますか
2. 買い戻しの取り決めには、どんな形がありますか
3. 買い戻しの価格は、いくらになりますか
4. 期間と資金は、どう見積もればよいですか
5. 2026年10月からのルールで、買い戻しはどう変わりますか
6. 福岡市で、契約前に確かめる順番は

リースバックした家は、本当に買い戻せますか

買い戻せるのは、売買契約に買い戻しの取り決めが入っている場合だけです。

入っていなければ、家の所有者は買主である会社です。

売るかどうかを決めるのも会社のほうなので、数年後に「そろそろ買い戻したい」と申し出て断られれば、そこで話は終わります。

「いつでも買い戻せます」は根拠になりません

当社の代表は以前、A4用紙1枚だけの売買契約書を持って相談にみえた方に会っています。

その1枚には「買戻し特約」と「賃料の割り振り」という、通常の売買では見ない項目が書かれていました。

相談をいただいた時点ですでに契約は済んでおり、こちらから打てる手はほとんど残っていませんでした。

契約書は、判を押したあとでは直せません。

読むのは契約前です。

契約書のどこを読むか

最初に見るのは、売買契約書の条文の見出しです。

「買戻し特約」「再売買の予約」「優先交渉権」のどれが書かれているかで、意味がまったく変わります。

優先交渉権は、会社が売る気になったときに最初に声をかけてもらえるだけの約束で、買い戻す権利ではありません。

見出しを確かめたら、次は中身です。

価格・期間・手続きの3つが具体的に書かれているかを読んでください。

売買契約書と賃貸借契約書は別の書面なので、両方の写しを事前にもらいます。

そろえておく書類の一覧は売却に必要な書類にあります。

買い戻しの取り決めには、どんな形がありますか

実務で使われるのは、民法の買戻し特約と、再売買の予約の2つです。

どちらも「あとで買い戻せる」という点は同じですが、成立の条件と期間の縛りが違います。

民法の買戻し特約(579条・580条)

買戻し特約は、売買契約と同時に結ばなければ成立しません(民法579条)。

あとから「やっぱり買い戻せるようにしてください」と足すことはできない形です。

売主が返すのは、買主が支払った代金と契約の費用です。

ただし別段の合意をすれば、返す金額をその合意額にできます(同条)。

期間は10年が上限で、それより長く定めても10年に切り下げられます(580条1項)。

いったん決めた期間は、あとから伸ばせません(同条2項)。

期間を決めずに契約した場合は、5年以内に買い戻さなければなりません(同条3項)。

出典:e-Gov 民法(買戻し 579〜581条)

再売買の予約

再売買の予約は、いったん売った家を将来もう一度売り買いする約束を、あらかじめ結んでおく形です。

売買契約と同時である必要がなく、金額の決め方も当事者の取り決めしだいなので、実務ではこちらもよく使われます。

自由に決められるということは、契約書に書いてあることがそのまま効くということでもあります。

民法の上限が働かないぶん、期間の年数は自分で確かめるほかありません。

登記されているかどうかで、強さが変わります

買戻し特約は登記できます。

法務省は、579条の別段の合意をした場合の登記の記録例まで示しています。

登記をしておけば、その後にその家が第三者へ売られても、買戻しを主張できると民法は定めています(581条1項)。

逆に、契約書に書いてあるだけで登記をしていなければ、家が転売されたときに立場が弱くなります。

買い戻しの取り決めを登記する予定があるのかどうかを、契約の前に会社へ聞いてください。

出典:法務省 買戻権に関する登記の記録例

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買い戻しの価格は、いくらになりますか

買い戻す金額は、売ったときの金額より高くなるのが一般的です。

会社は、買い取ってから買い戻されるまでの間にかかる費用や利益を価格に見込むためです。

どれだけ高くなるかは契約書の決め方しだいで、業界共通の相場というものはありません。

インターネットには倍率を書いたページもありますが、公的な資料に根拠のある数字ではないので、当社は数字を出しません。

金額そのものか、金額の出し方か

確かめるのは、買い戻しの金額そのものか、金額の出し方のどちらかが書かれているかです。

「時価とする」とだけ書かれていると、買い戻すときの査定しだいで金額が動きます。

3,000万円で売った家を「時価」で買い戻す約束にした場合、5年後に相場が上がっていればその分だけ高く払うことになります。

金額が動く決め方なら、上限を書いてもらえるかを聞いてみてください。

「算定根拠の説明」は義務ではありません

2026年10月1日から、リースバックを扱う会社の説明義務が重くなります。

ただし国土交通省のガイドラインでは、売買価額や賃料の算定根拠の説明は「対応することが望ましい事項」として整理されています。

望ましい事項は、故意に告げないことが禁じられた20項目とは別の扱いです。

つまり、根拠を聞いても答えが返ってこない場合があります。

それでも聞く価値はあります。

答え方そのものが、その会社を選ぶかどうかの材料になるからです。

出典:国土交通省 ガイドラインの公表ページ

期間と資金は、どう見積もればよいですか

期間には法律の上限があり、資金は住宅ローンが使えるとは限りません。

この2つが、買い戻しを実際にできるかどうかを分けます。

何年以内に買い戻すのか

買戻し特約なら10年が上限で、期間を決めなければ5年以内です。

再売買の予約は年数の決め方が自由なので、契約書に書かれた年数がそのまま効きます。

「3年以内」と書かれていれば、4年目には権利が無くなります。

年数を数え始める日も確かめてください。

買戻し特約の期間は売買契約の時から数えるので、引渡しの日や入居の日ではありません。

契約から引渡しまでに2か月あいたなら、そのぶん買い戻せる期間は短くなっている計算になります。

何年後に買い戻すつもりなのかを先に決めてから、その年数が契約書の年数に収まっているかを見てください。

住める年数と、買い戻せる年数はそろっていますか

見落とされやすいのが、賃貸借契約のほうの年数です。

買い戻せる期間が5年でも、賃貸借が定期借家で3年なら、3年目に退去を求められる可能性があります。

退去したあとに買い戻すこともできますが、その間の住まいを別に借りることになります。

売買契約と賃貸借契約の2つを机に並べて、年数が食い違っていないかを見てください。

定期借家と普通借家の違いはリースバックで何年住める?にまとめました。

買い戻す資金をどうつくるか

用意するのは買い戻し価格だけではなく、登記費用などの諸費用も加わります。

住宅ローンを使えるかどうかは、金融機関ごとの判断になります。

買い戻しの取り決めが付いた物件を扱えるか、年齢や収入の条件を満たすかを、借りる予定の金融機関へ先に確かめてください。

売った時点で60代なら、10年後は70代です。

そのとき何年返済のローンを組めるのかまで、いまのうちに聞いておく話になります。

なお、買い戻しの前に、リースバックそのものの審査があります。

売る側が通らなければ買い戻しの話にも進まないので、断られる理由はリースバックの審査に落ちる5つの理由で先に確かめておいてください。

家賃を払いながら貯められるか

リースバックの間は、毎月の家賃が出ていきます。

家賃が月10万円なら、5年で600万円です。

2,000万円で売って600万円を家賃で払えば、手元に残る計算は1,400万円です。

買い戻し価格は売った金額より高くなるのが一般的なので、この1,400万円では足りません。

差額をどこから出すのかを、売る前に紙の上で確かめておいてください。

売却時の税と費用を引いた手取りは手取りの試算で出せます。

2026年10月からのルールで、買い戻しはどう変わりますか

買戻し特約の有無とその内容が、会社が故意に告げてはならない20項目の1つに入りました。

20項目は、売買に関する4項目と賃貸借に関する16項目に分かれています。

買戻し特約は、そのうち売買の4番目です。

「無い」なら「無い」と告げなければなりません

この決まりは、買い戻せる約束を必ず付けろというものではありません。

付いていないなら、付いていないと告げなければならない、という形です。

故意に告げなかった場合は宅地建物取引業法47条1号に触れ、業務停止や免許の取消しの対象になります。

20項目の全体はリースバックの告知20項目に一覧で載せています。

新しいルールができたから安心、とはなりません

当社もリースバックを扱う立場ですが、ルールができれば取引が有利になるとは考えていません。

禁じられたのは「故意に告げないこと」であって、条件そのものが良くなるわけではないからです。

説明を受けたうえで、その条件を選ぶかどうかを決めるのは売主です。

施行日と対象になる取引はリースバックの新ルール総まとめにまとめてあります。

福岡市で、契約前に確かめる順番は

順番は、契約書の写しを事前にもらう、買い戻しの条文を読む、登記の予定を確かめる、の3つです。

3つとも、契約を結ぶ前でなければ意味を持ちません。

登記簿は法務局で確かめられます

買戻し特約や再売買の予約の仮登記は、登記簿に記録されます。

福岡市内の物件なら、博多区・中央区・南区・東区は福岡法務局の本局(福岡市中央区舞鶴3丁目5番25号)が扱います。

早良区・西区・城南区は西新出張所です。

すでに家を売ったあとで取り決めを確かめたい方も、登記事項証明書を取れば、買戻しの登記があるかどうかは分かります。

手元の契約書が見当たらないときの確かめ方が、これです。

出典:福岡法務局(本局)の案内

迷ったら福岡県の窓口へ

福岡県は、宅地建物取引業に関する相談を受け付けています。

相手が福岡県知事免許の会社であれば、行政処分を受けていないかどうかも県のページで確かめられます。

勧誘の内容に不安があるなら、契約の前に県へ聞いてください。

出典:福岡県 宅建業に関する相談

売る前に、3つを並べて比べる

当社は、仲介・買取・リースバックの3つを同時に試算し、手取り額と引渡し時期を並べてお見せしています。

買い戻しを前提にするなら、そこへ家賃の総額と買い戻し価格の見込みを足して比べてください。

並べてみると、住み続けられる年数と、買い戻しまでに必要な金額が同時に見えてきます。

3つの方法の違いをまとめたのが仲介・買取・リースバックの比較です。

判を押す前であれば、条件はまだ動かせます。

動かせなくなるのは、署名と押印をした瞬間です。

迷っている段階でのご相談は15分無料相談で受け付けています。

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この記事の目次1. リースバックした家は、本当に買い戻せますか
2. 買い戻しの取り決めには、どんな形がありますか
3. 買い戻しの価格は、いくらになりますか
4. 期間と資金は、どう見積もればよいですか
5. 2026年10月からのルールで、買い戻しはどう変わりますか
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