福岡市で3,000万円のマンションを売った手取りはいくら
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士福岡市のマンションを3,000万円で売ったとき、手元に残るのは約2,891万円です。
ただしこれは、居住用の3,000万円特別控除が使える場合の金額です。
使えない場合は、所有5年超でも約2,334万円まで下がります。
差は約557万円で、仲介手数料の5倍を超えます。
この記事で追うのは、3,000万円という1つの金額が手取りになるまでの道すじ。
福岡市で3,000万円がどんな部屋にあたるかも、当社がまとめた区ごとの中央値から見ていきます。
2. 売却価格から最初に引かれるのは何ですか
3. 譲渡所得税はどう計算しますか
4. 居住用3,000万円控除を使う場合と使わない場合
5. 福岡市では、もう2つ手取りが動きます
6. この計算を、自分の部屋でやるには
3,000万円で売ったら、手取りはいくら残りますか
残るのは、3,000万円控除を使えるなら約2,891万円、使えないなら約2,334万円から約1,804万円です。
分かれ目は所有期間と、その部屋に自分が住んでいたかどうかの2つ。
先に結論の3通りを並べます。
結論は3通りに分かれる
| ケース | 譲渡所得税・住民税 | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 3,000万円控除を使える | 0円 | 約2,891万円 |
| 控除なし・所有5年超 | 約557万円 | 約2,334万円 |
| 控除なし・所有5年以下 | 約1,087万円 | 約1,804万円 |
同じ3,000万円でも、手取りの幅は1,087万円ひらきます。
ひらく原因は費用ではなく、譲渡所得税と住民税のほうです。
費用の合計は108万6,000円で、3通りとも変わりません。
20.315%の中身は、所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%です。
39.63%のほうは、所得税と復興特別所得税が30.63%、住民税が9%。
福岡市で3,000万円は、どんな部屋ですか
当社が集計した直近2年の中央値では、博多区の3LDK系が2,700万円、4LDK以上が3,500万円です。
中央区では1LDK系が2,300万円、2LDK系が3,750万円でした。
つまり同じ3,000万円が、博多区なら3LDKから4LDKの帯、中央区なら1LDKから2LDKの帯にあたります。
区ごとの中央値は福岡市の売却相場で見られます。
売却価格から最初に引かれるのは何ですか
最初に引かれるのは、仲介手数料・印紙税・抵当権抹消の登記費用の3つです。
3,000万円のマンションなら、合計で108万6,000円ほど。
売却価格の3.6%にあたります。
| 引かれるもの | 金額 | 計算の根拠 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 105万6,000円 | (3,000万円×3%+6万円)×1.1 |
| 印紙税 | 1万円 | 1,000万円超5,000万円以下の帯 |
| 抵当権抹消の登記費用 | 2万円 | 1〜2万円台の上限で置いた |
| 合計 | 108万6,000円 | 売却価格の3.6% |
①仲介手数料は105万6,000円
800万円を超える売却の仲介手数料は、(売買価格×3%+6万円)×1.1で計算します。
3,000万円なら(90万円+6万円)×1.1で、105万6,000円です。
末尾の1.1は消費税で、手数料そのものは96万円です。
支払いは、契約時と決済時に半額ずつが一般的な形。
売買が成立しなければ発生しません。
②印紙税は1万円
売買契約書に貼る印紙は、1,000万円超5,000万円以下の帯で1万円です。
これは軽減された金額で、印紙税の軽減は2027年3月31日までに結ぶ契約に使えます。
契約書を2通作って売主と買主が1通ずつ持つ場合、それぞれが1万円を負担します。
1通だけ作って買主が原本を持ち、売主は写しで済ませるという選び方。
③抵当権抹消の登記費用
住宅ローンを借りていた部屋には抵当権が付いているので、引渡しまでに消す登記が必要です。
抵当権抹消の費用は、登録免許税と司法書士の報酬を合わせて1〜2万円台です。
ローンが残っている場合は、売却代金でまず完済します。
完済の手続きと登記は、決済の日に同時に進む段取り。
譲渡所得税はどう計算しますか
譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を引いて求めます。
この例では2,743万4,000円です。
ここに所有期間で決まる税率をかけたものが、譲渡所得税と住民税になります。
買ったときの金額が分かる場合は、建物部分を使った年数に応じて減らしてから取得費にします。
この減価償却の計算が入るのは確定申告の場面で、当社は税理士へのお取り次ぎまで。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 |
| 概算取得費(売却価格の5%) | 150万円 |
| 譲渡費用(仲介手数料+印紙税) | 106万6,000円 |
| 譲渡所得 | 2,743万4,000円 |
取得費が分からないときは5%で置く
買ったときの契約書が見つからない場合、概算取得費として売却価格の5%を使えます。
3,000万円なら150万円です。
実際に2,000万円で買っていたとしても、証明できなければ150万円しか引けません。
差は1,850万円で、税率20.315%なら約375万円の税額の差。
売買契約書は、売るときまで必ず残しておいてください。
譲渡費用に入るのは何か
国税庁は、譲渡費用を「土地や建物を売るために直接かかった費用」と説明しています。
挙げられているのは仲介手数料と、売主が負担した印紙税です。
修繕費や固定資産税のように、持っているあいだの維持や管理にかかった費用は入りません。
抵当権抹消の登記費用を譲渡費用に入れてよいかは、確定申告のときに税務署か税理士に確かめてください。
この例では、譲渡費用を仲介手数料と印紙税の106万6,000円として計算しました。
短期と長期で税率が倍近く変わる
税率は、売った年の1月1日時点の所有期間が5年を超えるかどうかで変わります。
数えるのは引渡し日までの期間ではなく、売った年の1月1日までの期間です。
2020年6月に買った部屋を2026年3月に売ると、2026年1月1日では5年7か月なので長期譲渡になります。
長期譲渡(5年超)が20.315%、短期譲渡(5年以下)が39.63%です。
2,743万4,000円に当てはめると、長期で約557万円、短期で約1,087万円。
同じ部屋を同じ値段で売っても、売る年が1年違うだけで530万円動きます。
居住用3,000万円控除を使う場合と使わない場合
自分が住んでいた部屋なら、譲渡所得から最大3,000万円を引けます。
この例の譲渡所得は2,743万4,000円で、引くと残りは0円。
税額も0円で、手取りは約2,891万円のままです。
使える場合は、税額が0円になる
控除が使えると、譲渡所得税と住民税が1円もかからない形で終わります。
所有期間は問われないので、3年前に買った部屋でも対象です。
住まなくなった家でも、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば使えます。
住まなくなったあとの使い道は問われないため、人に貸していた期間があってもかまいません。
相続した空き家の3,000万円控除は要件が別で、こちらは貸すと使えなくなります。
相続した実家を売る場合は、どちらの控除に当てはまるかを先に確かめてください。
使えないのはどんな場合ですか
自分が住んだことのない部屋は、そもそも居住用にあたりません。
投資用に買ったワンルームが典型です。
当社の集計では、博多区のマンション取引951件のうち439件が30㎡未満でした。
単身向けの住戸が多い区では、控除の使えない売却のほうが多くなります。
そのかわり投資用の部屋は、買ったときの契約書が手元に残っていることが多く、概算取得費の5%に頼らずに済みます。
取得費を証明できれば、譲渡所得そのものが小さくなるという利点。
ほかに使えないのは、次の3つ。
- 売った年の前年と前々年に、この特例や譲渡損失の特例を受けている(買換えや交換の特例は、売った年を含む3年間が対象)
- 親子・夫婦など特別の関係がある人へ売る(同居していない親子でも対象になります)
- 別荘など、趣味や保養のために持っていた部屋(特例を受けるためだけに入居した家も外れます)
控除を受けるには、税額が0円になる場合でも確定申告が要ります。
申告しないまま放っておくと、控除は適用されません。
譲渡所得が3,000万円を超えた場合は、引ききれずに残った部分にだけ税率がかかります。
所有していた期間が10年を超えるマイホームなら、10年超所有の軽減税率で6,000万円以下の部分が14.21%です。
3,000万円控除と併用できるので、残った部分の税率はさらに下がる形。
この例では控除で引ききれるため、軽減税率の出番はありません。
福岡市では、もう2つ手取りが動きます
動くのは、固定資産税などの精算金と、登記の住所が古い場合の住所変更登記です。
どちらも数万円の単位で、計算に入れておくと決済当日に驚きません。
固定資産税・都市計画税の精算金は手取りに乗る
固定資産税は1月1日の所有者に1年分が課税されるので、売った年の分も売主に請求が来ます。
引渡し日から年末までの分を買主から受け取る精算が、商慣習として行われています。
福岡市の税率は、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%。
福岡市の納期は4月・7月・12月・翌年2月の年4回なので、精算金を受け取ったあとも第3期と第4期の納付書は売主あてに届きます。
精算金は手取りにプラスで乗りますが、譲渡所得の収入金額にも入ります。
起算日による金額の差は売却年の固定資産税の日割り精算に書きました。
登記の住所が昔のままなら、住所変更登記が要る
登記に載っている住所が引っ越し前のままだと、売買の前に住所変更登記をします。
住所変更登記の費用は約1万4,000円です。
相続した部屋で名義が亡くなった方のままなら、先に相続登記が必要になります。
相続登記の義務化は2024年4月からで、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象。
登記の住所が古いままでも査定や売り出しは進められるので、売る前に慌てて直さなくてかまいません。
どちらも司法書士に依頼する部分なので、当社から取り次ぎます。
この計算を、自分の部屋でやるには
必要なのは、売却価格の見込みと、買ったときの金額と、所有期間の3つです。
この3つがそろえば、手取りはその場で出せます。
住宅ローンが残っている場合は、ここからさらに残債を引いた額が手元に入ります。
残債が2,891万円を超えていると、差額を自己資金で埋めるか、別の売り方を考える形。
数字を入れて試すなら手取りの試算が使えます。
引かれるものの順番だけ知りたい場合は福岡市で引かれるお金の順番のほう。
売却価格の見込みが分からないときは、無料査定で先に出します。
控除が使えるかどうかの判断は、15分の無料相談でご一緒に確かめられます。
必要なのは、間取りと、住んでいた期間と、買った年の3つだけ。
税額の最終的な判断は税務署と税理士が行うので、当社は計算の材料をそろえるところまでをお引き受けします。
