不動産売却の囲い込みとは?レインズで確認する方法と対策
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士不動産売却の「囲い込み」とは、媒介を受けた不動産会社が、自社で買主側も仲介して売主・買主双方から報酬を得ることなどを目的に、正当な理由なく他社への物件紹介を妨げる行為を指します。
専任媒介や両手仲介そのものが囲い込みという意味ではありません。
書面による購入申込み、売主都合の一時停止、契約予定など、紹介できない正当な理由がある場合もあります。
売主はレインズの登録証明書と売主専用画面を使い、登録内容と取引状況を確認できます。
この記事では、囲い込みを疑う前に確認する項目と対策を解説します。
2. レインズ登録義務と売主専用画面
3. 囲い込みが心配なときの確認手順
4. 一般媒介へ変更すれば必ず防げる?
5. 不動産会社を選ぶ質問
6. まとめ|登録証明書・取引状況・販売報告を確認
7. 囲い込みが疑われたときの相談先
8. 契約期間の満了を待つという選択
囲い込みと両手仲介の違い
売主側と買主側の両方を同じ不動産会社が媒介することを、一般に両手仲介と呼びます。
両手仲介自体が直ちに違法または囲い込みになるわけではありません。
一棟マンションやビルのように金額が大きい取引で、双方の報酬がいくらになるかは一棟の仲介手数料の早見表に載せています。
問題になるのは、他社から実際の購入希望者の紹介があるのに、物件が紹介可能な状態であることを隠し、「申込みが入った」など事実と異なる説明をして紹介を妨げるケースです。
紹介機会が不当に制限されると、購入候補が減り、売却期間や価格交渉へ影響する可能性があります。
ただし、囲い込みだけを理由に「必ず数百万円損する」と金額を断定することはできません。
レインズ登録義務と売主専用画面
専任媒介契約と専属専任媒介契約では、宅地建物取引業者にレインズへの登録義務があります。
標準媒介契約約款では、専属専任は契約締結日の翌日から5日以内、専任は7日以内とされ、宅建業者の休業日は期間へ算入しません。
一般媒介契約には法律上のレインズ登録義務はありませんが、契約内容により登録を依頼できます。
レインズ登録後、売主には登録証明書が交付されます。
この登録も広告の掲載も、売主本人では手続きできません。
レインズそのものも、一般の方が検索して開ける仕組みではありません。
誰が何を見られるのかの線引きはレインズは個人でも見られる?売主が確認できる画面にまとめました。
確認できる書面がここしかないのは、そのためです。
仕組みの説明はSUUMOに個人で物件を掲載できる?売主が知っておきたい仕組みに置きました。
証明書のURL・ID・パスワード、または二次元コードから売主専用画面へ入り、次の取引状況を確認できます。
- 公開中
- 書面による購入申込みあり
- 売主都合で一時紹介停止中
2025年1月から売主専用画面へアクセスしやすい二次元コードが登録証明書に掲載される仕組みが導入されています。
国土交通省|レインズと売主専用画面の案内
国土交通省|標準媒介契約約款
囲い込みが心配なときの確認手順
- 登録証明書を受け取る:物件情報、登録日、価格、媒介契約の種類を確認する。
- 売主専用画面を見る:取引状況が実態と合っているかを確認する。
- 販売報告を確認する:問い合わせ件数、内覧、他社紹介、断った理由を具体的に聞く。
- 価格と広告を確認する:ポータルサイト等の価格・写真・物件概要が最新かを見る。
- 書面で質問する:紹介停止の理由、購入申込書の有無、再公開予定を記録に残す。
売主専用画面だけですべての営業活動が分かるわけではありません。
定期報告と合わせて確認してください。
一般媒介へ変更すれば必ず防げる?
一般媒介は複数社へ依頼できるため、販売窓口を分散できます。
一方、レインズ登録や定期報告が法律上義務ではなく、各社の広告投資・情報管理を売主が調整する必要があります。
専任媒介でも、レインズ登録証明書、売主専用画面、定期報告、他社紹介の方針を確認すれば、販売状況を把握しやすくなります。
媒介契約は、囲い込みへの不安だけでなく、物件の需要、売主の管理負担、広告計画、報告頻度を比較して選びます。
詳しくは一般媒介契約と専任媒介契約の違いをご覧ください。
不動産会社を選ぶ質問
- レインズ登録証明書と売主専用画面をいつ案内しますか。
- 他社からの内覧依頼をどのように受け付けますか。
- 紹介を断る場合、売主へどのように報告しますか。
- 問い合わせ・内覧・購入申込みを何日ごとに報告しますか。
- 両手仲介となる場合の利益相反へどう配慮しますか。
口頭の「囲い込みはしません」だけでなく、媒介契約、販売計画、報告方法、レインズ確認手順を具体的に説明できる会社を比較してください。
まとめ|登録証明書・取引状況・販売報告を確認
囲い込みを防ぐには、一般媒介を選ぶことだけが対策ではありません。
専任・専属専任ではレインズ登録証明書を受け取り、売主専用画面と定期報告で状況を確認します。
他社紹介が断られている疑いがある場合は、理由と購入申込書の有無を記録し、媒介契約の更新・変更も含めて検討してください。
福岡市・博多区の無料不動産査定では、査定額だけでなく媒介契約・レインズ・販売報告の方法もご説明します。
囲い込みが疑われたときの相談先
不動産会社に確認しても納得のいく説明が得られないときは、外部に相談できます。
宅地建物取引業者の指導監督は、免許を出している行政庁が行っています。
福岡県知事免許の会社であれば福岡県、国土交通大臣免許の会社であれば国土交通省の地方整備局が窓口です。
媒介契約書、販売活動の報告書、レインズの登録証明書を揃えてから相談してください。
やり取りの日付が分かる記録があると、事実関係の確認が進みやすくなります。
契約期間の満了を待つという選択
専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は、最長で3か月と決まっています。
期間が来れば、更新せずに別の会社へ切り替えられます。
途中で解除するより、期間の満了で切り替えるほうが手続きは簡単です。
次に依頼する会社を決めてから切り替えると、販売が止まる期間を短くできます。
