【博多区吉塚】買取保証の仕組みと保証価格が下がる理由
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士「もし売れ残ってしまったら、どうしよう」
住み替えや転勤を控えていると、そんな不安が頭をよぎることがあるかもしれません。
期限が決まっている方にとって、「売れなければ買い取ります」という言葉は、魔法の救済策のように聞こえます。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。
その「安心」を得るために、あなたが支払うことになる「見えないコスト」はいくらでしょうか。
実は、人気エリアである吉塚だからこそ、この制度の利用には慎重な判断が必要です。
今回は、不動産業界の裏側にある「利益の仕組み」と、あなたが損をしないための選び方について、正直にお話しします。
2. 2. 【シミュレーション】3,000万円の家、保証を使うといくら損する?
3. 3. メリット・デメリットと、切っても切れない「囲い込み」リスク
4. 4. あなたはどのタイプ? 状況別「3つの選択肢」診断
5. 5. 吉塚エリアで「保証」を検討している方へ
6. まとめ
7. この記事に関係する公的資料
1. まずは基本を整理。「仲介」「買取」「買取保証」の違いとは?
不動産を売る方法は、大きく分けて3つあります。
まずはこの違いを明確にしておきましょう。
どれが自分に向くかは、いくつかの質問で絞れます。
仲介・買取・買取保証の違いと選び方の5つの質問をご覧ください。
一般的な「仲介(ちゅうかい)」
不動産会社が広告を行い、広く一般の買主様を探す方法です。
市場価格(相場)で売れる可能性が最も高くなります。
ただし、買主様が見つかるまでに3ヶ月〜半年程度の時間がかかることがあります。
不動産会社による「買取(かいとり)」
不動産会社が直接、あなたの物件を買い取る方法です。
広告活動を行わないため、周囲に知られず、最短数日で現金化できます。
その代わり、価格は相場の7割程度まで下がります。
今回のテーマ「買取保証(かいとりほしょう)」
上記2つを組み合わせた「イイトコどり」に見えるプランです。
一定期間(例:3ヶ月)は「仲介」として高値での売却を目指します。
もし期間内に売れなかった場合、あらかじめ約束した金額で不動産会社が「買取」を行います。
「高く売れるチャンス」と「売れ残るリスクの排除」をセットにした仕組みです。
買い先行の住み替えでこの仕組みを使うと、二重返済の終わる日を契約の時点で決められます。
その考え方は住み替えのダブルローン|二重返済の期間を区切る考え方にまとめました。

2. 【シミュレーション】3,000万円の家、保証を使うといくら損する?
では、実際に数字を当てはめて考えてみましょう。
ここからが、不動産会社があまり語りたがらない「お金の話」です。
仮に、吉塚エリアで市場相場が「3,000万円」のマンションを持っていたとします。
ケースA:仲介で売却できた場合
価格:3,000万円
仲介手数料:約105万円(税込)
手取り額:約2,895万円(その他経費は除く)
不動産会社の利益:約105万円(手数料のみ)
※両手仲介になった場合は約210万円の利益
ケースB:売れずに「買取保証」が実行された場合
保証金額:2,100万円(相場の70%と仮定)
仲介手数料:不要(※会社による)
手取り額:2,100万円
不動産会社の利益:???
ここでのポイントは、手取り額が「約800万円」も減ってしまうことです。
そして、もっと重要なのは不動産会社の利益の変化です。
不動産会社は、2,100万円で買い取った物件にリフォームを施し、再度3,000万円前後で販売します。
リフォーム費用や経費を引いても、不動産会社には数百万〜1,000万円近い「転売利益」が残る計算になります。
つまり、不動産会社にとっては「仲介で頑張って売る(利益100万)」よりも、「売れ残って買い取る(利益数百万円)」方が、圧倒的に儲かるという矛盾した構造があるのです。

3. メリット・デメリットと、切っても切れない「囲い込み」リスク
仕組みと金額差を理解した上で、メリットとデメリットを整理します。
メリット
いつまでに現金化できるか、期限が確定します。
住み替え先の支払い期日が決まっている場合、資金計画が狂いません。
売れ残る恐怖から解放され、精神的に楽になります。
デメリット
買取実行となった場合、手取り額が大幅に減ります。
そして、最大のリスクが「囲い込み」です。
最大の懸念点「囲い込み(かこいこみ)」とは
先ほどのシミュレーションを思い出してください。
悪質な業者の場合、「仲介で売るより、買い取って転売したい」と考える誘惑に駆られます。
すると、仲介販売期間中に他社から「その物件を買いたいお客さんがいます」と問い合わせがあっても、「商談中です」と嘘をついて断ってしまうことがあります。
これを「囲い込み」と言います。
本当は高く売れるチャンスがあったのに、わざと売れ残るように調整され、最終的に安値で買い取られてしまう。
買取保証には、こうした利益相反のリスクが潜んでいることを、ぜひ知っておいてください。
▼ あわせて読みたい:不動産売却の囲い込みとは?レインズで確認する方法と対策
4. あなたはどのタイプ? 状況別「3つの選択肢」診断
リスクを知った上で、あなたの状況にはどの方法が合っているのでしょうか。
3つのパターンで考えてみましょう。
パターンA:【時間的余裕がある】→「一般仲介」一択
売却の期限が特に決まっていない方。
または、半年以上先の住み替えを計画している方。
迷わず、保証なしの「一般仲介」で、相場通りの高値売却を目指すべきです。
わざわざ安い保証額を提示させて、業者のターゲットになる必要はありません。
パターンB:【期限はあるが、粘りたい】→「買取保証」要検討
3ヶ月後には新居の引き渡しがある、といった方。
「買取保証」をつけることで、万が一の際のつなぎ融資などを回避できるメリットがあります。
ただし、業者選びは慎重に行ってください。
「定期的に販売状況のレポートを出してくれるか」「囲い込みをしないと断言できるか」を確認しましょう。
パターンC:【今すぐ現金が必要】→「即時買取」
離婚や相続税の支払いなどで、1ヶ月以内に現金が必要な方。
または、室内が荒れていて内覧対応が難しい方。
この場合は、3ヶ月の仲介期間を待つメリットがありません。
最初から「買取」を選び、その中で最も高い金額を出してくれる業者を探すのが正解です。

5. 吉塚エリアで「保証」を検討している方へ
最後に、私たちが活動する吉塚エリアについてお伝えします。
吉塚は、博多駅へのアクセスも良く、生活環境が整っているため、非常に需要が高いエリアです。
2025年現在も、適正な価格設定であれば、通常の「仲介」で3ヶ月以内に成約する可能性が十分にあります。
つまり、最初から「売れないかもしれない」と弱気になって、安易に買取保証に頼る必要はないかもしれません。
大切なのは、最初からセットで契約してしまわないことです。
まずは「仲介だといくらで売れそうか」の査定と、「買取だといくらか」の査定を、分けて出してもらいましょう。
その金額差(リスク)をしっかり数字で見て、納得してから判断しても遅くはありません。
まとめ
買取保証は、売主様を守る「保険」であると同時に、業者が安く仕入れるための「予約」でもあります。
仕組みを正しく理解して使えば、期限のプレッシャーから解放される便利なツールです。
しかし、何も知らずに任せてしまうと、数百万円単位で損をする可能性があります。
株式会社おもいで不動産では、まずは「仲介で高く売ること」に全力を注ぎます。
安易に買取へ誘導することはいたしません。
「自分の場合はどうするのが一番お得なの?」
そう迷われたら、まずはシミュレーションだけでもしに来てください。
あなたの利益を最優先したプランを、一緒に考えましょう。
ご自分の物件でいくら残るかは、手取りの試算で概算を出せます。
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この記事に関係する公的資料
制度と税率は改正されます。
実際の判断は、上の公的資料の最新の内容と、税務署・法務局・税理士・司法書士への確認をあわせて行ってください。
