買取の入金は何日後?最短1日〜2週間前後と延びる3つの理由
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士期日が決まっていて、買取で現金化までに何日かかるかを知りたい方に向けた記事です。
当社の買取では、最短1日〜2週間前後で引渡しと入金まで進みます。
ただし、この日数で終わる方は多くありません。
延びる原因は物件の側ではなく、抵当権の抹消・相続登記・共有者の同意という3つの書類と名義の都合です。
なかでも相続登記は、それだけで1〜3か月かかります。
この記事では、最短が成り立つ前提、3つの原因ごとの日数、急ぐときに先に着手する順番を並べました。
2. 日数が延びるのは、どんなときですか?
3. 相続登記には何日かかりますか?
4. 期日が決まっているときは、何から始めますか?
5. 入金された額は、売買価格と同じですか?
買取の入金は、最短で何日後ですか?
当社の買取なら、最短1日〜2週間前後での引渡しと入金ができます。
仲介のように買主を探す期間がなく、住宅ローンの審査も入らないためです。
書類と名義がそろっていない方は、この日数になりません。
最短が成り立つ前提は3つ
1つめは、登記の名義が売主ご本人になっていること。
2つめは、抵当権が付いていないか、残債の額がすでに分かっていることです。
3つめは、共有者がいないか、共有者全員の売却の意思が確認できていることです。
この3つのどれかが欠けていると、最短の日数では終わりません。
そろっているかどうかは、査定のときに当社が一緒に確かめます。
足りないものが分かった時点で、入金の日は計算できるようになります。
欠けている場合にどれだけ延びるのかを、次の章で分けました。
入金はいつ、どこで行われるか
入金は決済・引渡しの当日に、買主の銀行で行われます。
その場で残代金の入金確認、抵当権の抹消と所有権移転の登記手続き、固定資産税の精算、鍵のお引渡しまでを済ませます。
所要時間は1時間ほどです。
買取では当社が買主になるので、この席に当社が座ります。
決済の時刻は平日の午前に組むのが通例です。
その日のうちに司法書士が法務局へ登記を申請するため、午後の遅い時間に始めて着金が長引くと申請が間に合いません。
平日しか組めないので、期日が週末に近いほど前の週に寄せる必要が出てきます。
当日の流れは決済・引渡し当日の流れ|集合から鍵を渡すまでの1時間で説明しました。
仲介だと、同じ物件で何か月になるか
仲介では、売り出しから契約までに1〜3か月、契約から引渡しまでにさらに1〜2か月を見ます。
買主の本審査と融資の実行だけで1か月前後かかるためです。
最短1日〜2週間前後との差は、価格の差と引き換えになっています。
買取ではチラシやネットへの掲載をしないので、売り出している期間そのものがありません。
近所に知られる前に終わらせたい方が買取を選ぶのは、この掲載が無いからです。
価格と期間の比べ方は福岡の空き家は買取と仲介どちら?価格と期間の比べ方にまとめました。
日数が延びるのは、どんなときですか?
延びる原因は、抵当権の抹消・相続登記・共有者の同意の3つです。
どれも物件の良し悪しとは関係がなく、書類と名義の話です。
そして3つとも、売却を決める前から手をつけられます。
重なることもあり、相続した家に住宅ローンが残っていれば日数は足し算になります。
| 売主の状況 | 査定から入金までの目安 |
|---|---|
| 名義が本人・抵当権なし・単独所有 | 最短1日〜2週間前後 |
| 住宅ローンが残っている | 2〜3週間 |
| 名義が亡くなった方のまま | 1〜3か月+1〜2週間 |
| 共有者が複数いる | 同意が集まるまで読めない |
住宅ローンが残っている(抵当権の抹消)
抵当権が付いたままでは引渡しができません。
金融機関へ繰上完済の連絡を入れるのは、決済日の2〜3週間前が目安になります。
抹消の書類が金融機関から出るのは決済の当日という扱いが多く、ここを前倒しできません。
抹消の登記費用は1〜2万円台で、売買代金から支払う形になります。
段取りが大きく変わるのは、残債が売買代金で消えるかどうかの一点です。
売買代金で足りない場合は、金融機関の同意を得て売る任意売却という別の手続きになります。
完済済みなのに抹消を忘れた古い抵当権が登記に残っている場合は、金融機関の書類を取り直すところからです。
金融機関の合併や商号変更をはさんでいると、ここで数週間かかることもあります。
手続きと窓口は抵当権抹消の費用と手続き|福岡法務局の窓口にまとめました。
書類を紛失していた場合の進め方は住宅ローン完済後の抵当権抹消|書類紛失・期限切れの対処法にあります。
名義が亡くなった方のまま(相続登記)
亡くなった方の名義のままでは売れません。
相続登記を済ませてからの売却になるため、ここが日数をいちばん使います。
2024年4月から相続登記は義務になり、3年以内の申請が必要です。
2024年4月より前に相続が起きていた場合の期限は、2027年3月31日です。
期限の数え方は相続登記の期限はいつ?2027年3月31日の数え方と相続登記が義務化。3年の期限と罰則を解説で分けました。
共有者がいる
共有の不動産では、共有者全員の売却の意思を確認させていただきます。
1人でも連絡が取れないと、その人の持分は動かせません。
当社が扱った山口県防府市の土地は、農業倉庫として使っていた土地をかなりの人数で所有している状態でした。
相続人を探し出すのに苦労し、相続の手続きでは最後まで全員がそろいませんでした。
このため買主の住宅ローン審査が通らず、売主様のご意向で当社の買取に切り替えて売却が完了しています。
人数が多い相続では、同意を集める期間が最大の変数です。
共有者の中に遠方や高齢の方がいる場合、委任状などで正式な代理権を確認できれば、個別の審査のうえでお受けします。
持分だけを売る形も法律上は可能ですが、買い手が限られるため価格は下がります。
経緯は防府市の共有者が多い土地を、最後の1区画まで売却に載せました。
相続登記には何日かかりますか?
目安は1〜3か月です。
申請そのものではなく、添付する書類を集める期間が大半を占めます。
司法書士へ依頼せず自分で申請する場合も、書類を集める期間は変わりません。
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せるだけで、2〜4週間かかることもあります。
日数を使うのは、戸籍と遺産分割協議
必要なのは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍謄本と住民票、遺産分割協議書、固定資産評価証明書です。
遺産分割協議書には相続人全員の実印と印鑑証明書が要ります。
本籍が何度も変わっている方だと、取り寄せ先の役所が増えるぶん日数も伸びる形です。
遺言書があれば遺産分割協議そのものが要らないので、相続人全員の実印を集める期間が消えます。
福岡市内の不動産の登記を扱うのは、福岡市中央区舞鶴3-9-15の福岡法務局(本局)です。
登録免許税は固定資産税評価額の0.4%で、司法書士に依頼する場合の報酬は5〜10万円が目安になります。
急ぐなら、登記と並行して進められること
査定と現地の確認は、相続登記の完了を待つ必要がありません。
買取の金額が先に分かっていれば、登記が済んだ日から決済の段取りに入れます。
司法書士への依頼も、戸籍を集めながら同時に進められる作業です。
残置物の片付けも、登記を待たずに始められます。
買取なら残したままでも引き渡せるので、片付けが入金の日を決める要因にはなりません。
当社は(公社)福岡県宅地建物取引業協会の会員で、登記は提携する司法書士へお取り次ぎします。
当社が代行できるのは不動産の売買仲介と買取で、登記の申請そのものは行いません。
期日が決まっているときは、何から始めますか?
先に着手するのは、名義の確認・残債の確認・書類集めの3つです。
この3つは査定より前に始められます。
期日から逆算して、いちばん時間のかかるものから手をつけてください。
たとえば施設の入居金を3月末に用意したい方で、名義が亡くなった親のままだとします。
相続登記に1〜3か月、決済に1〜2週間を見るので、着手は年内か年明けすぐになります。
逆に名義も残債も問題がなければ、3月中旬に査定を受けても間に合う計算です。
名義と残債は、2か所で確かめる
名義は登記事項証明書、残債は金融機関の返済予定表か残高証明書で分かります。
登記事項証明書は法務局の窓口のほか、オンラインでも請求できます。
どちらも手元に無い場合、取り寄せに数日から1週間を見ておくと安全です。
残高の調べ方は住宅ローン残高の確認方法|売る前に見る3つの場所にまとめました。
印鑑証明書は発行から3か月以内のものが要るので、取るのが早すぎても使えません。
売却に使う書類は、登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、本人確認書類、印鑑証明書が中心になります。
測量図や建築確認済証は、無くても買取は進みますが、あるほど価格の根拠がはっきりする書類です。
遠方にお住まいでも、日数は変わらない
当社は県外のお客様の場合、基本的にオンラインを活用して売却を進めています。
打合せやご内覧もオンラインで完結する形です。
実際に、熊本県岱明町の戸建てを打合せも内覧もオンラインで売却した案件があります。
北九州市の相続したマンションも、県外にお住まいのまま売却が終わりました。
現地へ何度も足を運ぶ前提ではないので、遠方であることは日数の理由になりません。
入金された額は、売買価格と同じですか?
同じではありません。
決済の席で、抵当権抹消の費用とローンの残債が売買代金から引かれます。
仲介手数料はかかりませんが、引かれるものはこの2つだけではありません。
決済日に差し引かれるもの
住宅ローンの残債は、入金されたその場で一括返済に回ります。
残債が売買価格を上回る場合、足りない差額は自己資金で埋める形です。
固定資産税は引渡し日を境に日割りで精算し、こちらは買主から受け取る側になります。
お金の動く順番は売却代金でローンを完済する順番|決済当日のお金の動きで追いました。
税金を払うのは、入金された年の翌年
譲渡所得税の申告と納付は、売った年の翌年2月16日から3月15日までです。
買取でも譲渡所得の計算は仲介と同じで、売れた価格から取得費と譲渡費用を引いた額に課税されます。
取得費が分からない家では、売却価格の5%を概算取得費として使う方法があります。
この5%の使いどころは取得費が不明な実家の売却、概算5%の注意点で説明しました。
所有5年超の長期譲渡なら20.315%、5年以下の短期譲渡なら39.63%で計算します。
税率20.315%のうち所得税の分は3月15日までで、住民税の分は翌年6月以降に届く通知で納める形です。
入金から納付までに1年近く空くので、全額を使ってしまうと納付の時期に手元が足りなくなります。
3,000万円の控除を使う場合も、申告をしなければ適用されません。
控除で税額が0円になる方も、確定申告そのものは必要です。
個別の税額は税理士か税務署にご確認ください。
期日が決まっている売却は、名義と残債を確かめるところから始まります。
