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ホーム > お役立ち記事 > 記事
一棟・収益物件公開 2026.11.03

築30年超の一棟はどれだけ売れている?築年数・構造別の取引

野上俊彦執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
野上俊彦執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士

築30年を超えた一棟アパートやビルは、福岡市でも売買されています。

当社が国土交通省の取引価格情報を集計したところ、共同住宅の取引のうち築31年以上が31%を占めていました。

築41年以上に絞っても290件あります。

ただし、古い一棟なら必ず売れるという話ではありません。

築年数が進むほど、買う人の種類と、買う人の見方が入れ替わります。

この記事は、築30年を超えた一棟をお持ちの方へ、その入れ替わりが起きる場所を築年数と構造から説明します。

目次1. 築30年を超えた一棟は、福岡市でどれくらい売られていますか?
2. 構造によって、取引の中身はどう違いますか?
3. 構造が変わると、何が変わるのですか?
4. 築古の一棟は、誰が買うのですか?
5. 自分の一棟の築年数と構造は、どこで確かめますか?
6. 次にやること

築30年を超えた一棟は、福岡市でどれくらい売られていますか?

共同住宅(一棟マンション・アパート)では、築31年以上の取引が全体の31%でした。

10年分の2,982件を集計した数字です。

築41年以上に限っても290件あり、年あたりでは30件前後。

事務所・店舗の建物は、さらに古い側へ寄ります。

古い建物の売買は、福岡市では例外的な出来事ではありません。

共同住宅の築年数の分かれ方

共同住宅の10年の取引2,982件のうち、築31年以上が31%を占めます。

残りの約7割が築30年以内なので、新しい建物のほうが多いのは確かです。

それでも、3件に1件は築31年以上。

築31年以上を年あたりに割ると、およそ92件です。

月に7件か8件の計算になります。

築41年以上の290件という数字は、1980年代の前半までに建った建物が、いまも買われていることを示します。

新耐震基準より前の建物が含まれる帯なので、売り方は別の記事にまとめました(旧耐震ビル・一棟マンションの売却)。

事務所・店舗は、もっと古い側に寄る

事務所・店舗の建物は、10年で651件が取引されています。

そのうち築41年以上が21%で135件、築31〜40年が22%。

2つを足すと、築31年以上が43%になります。

共同住宅の31%と比べると、12ポイント高い水準です。

事務所や店舗は、住む建物ほど「新しさ」で選ばれないためと考えられます。

立地と面積、使いやすさのほうが先に見られる建物だからです。

事務所・店舗の651件を年あたりに割ると約65件で、そのうち築31年以上は28件前後。

共同住宅に比べて母数は小さいものの、築古の取引が止まっているわけではありません。

この数字の限界を先に書きます

集計のもとは、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報です。

これは買主へのアンケートに回答があった取引だけを集めたもので、全数ではありません。

当社の集計は2026年9月19日時点のもの。

対象は福岡市7区の2016年から2025年までの10年分です。

直近の年の件数が少なく見えても、それは「減った」という意味ではありません。

回答はあとから届くので、直近の年は数字が積み上がる途中にあります。

年ごとの件数と価格帯は、別の記事にまとめています(福岡市の一棟もの取引は年何件?)。

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ

構造によって、取引の中身はどう違いますか?

共同住宅は木造47%・鉄筋コンクリート造33%、事務所・店舗は鉄骨造52%・鉄筋コンクリート造22%でした。

用途によって、取引されている建物の作りがはっきり分かれます。

この違いは、買主が組む資金計画に関わる部分。

同じ築35年でも、木造と鉄筋コンクリート造では話の進み方が変わります。

共同住宅の木造47%と鉄筋コンクリート造33%を足すと80%で、残りの2割に鉄骨造などが入ります。

事務所・店舗は鉄骨造52%と鉄筋コンクリート造22%で74%。

どちらの用途でも、上位2つの構造で全体の4分の3以上を占める形です。

共同住宅の半分近くが木造という意味

共同住宅の取引のうち、木造が47%を占めています。

鉄筋コンクリート造は33%で、木造のほうが多い結果です。

つまり、福岡市の一棟ものの売買は、大型のマンションだけで起きているわけではありません。

木造2階建て、6戸から8戸といった規模のアパートが、取引の中心に含まれます。

この規模は、個人の投資家が自己資金と融資を組み合わせて買える範囲に入ります。

買主の数が多い帯なので、売出しの方法も広く取れる部分です。

事務所・店舗は鉄骨造が半分

事務所・店舗は鉄骨造が52%、鉄筋コンクリート造が22%でした。

鉄骨造は、同じ階数でも工期が短く、建築費を抑えやすい作り。

そのため、商業地の小規模なビルで多く使われてきました。

博多駅や天神の周辺にある3階から5階の小さなビルが、この構造に当たります。

買主の側も、鉄骨造が多いことを織り込んで探している状況です。

つまり、鉄骨造だから買主が付かない、という組み立てにはなりません。

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構造が変わると、何が変わるのですか?

建物を減価償却できる年数が、構造と用途で違います。

この年数を法定耐用年数と呼び、国税庁が表で定めています。

買主が投資として買う場合、この年数は試算の前提になる数字。

残りの年数が短いほど、買主が見る先は建物から土地へ移る形です。

法定耐用年数は、構造と用途で決まる

店舗用・住宅用の建物について、国税庁の表では次のように定められています。

構造法定耐用年数
木造・合成樹脂造22年
鉄骨造(骨格材の肉厚3mm以下)19年
鉄骨造(3mm超4mm以下)27年
鉄骨造(4mm超)34年
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造47年

事務所用の建物は、同じ構造でも年数が変わります。

木造の事務所用は24年、鉄筋コンクリート造の事務所用は50年です。

鉄骨造が肉厚で3つに分かれているのは、骨組みの鉄の厚みで耐久性が変わるという考え方から。

自分の建物の肉厚は、竣工図の構造図に書かれています。

ここで誤解しやすいのは、この年数の意味です。

法定耐用年数は税の計算のための区分で、建物が使えなくなる年数ではありません。

22年を過ぎた木造アパートに人が住み続けている例は、福岡市内にいくつもあります。

出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

残りの年数が短いと、買主の見方が土地へ寄る

木造アパートの法定耐用年数は22年です。

築30年の木造アパートは、この年数を8年超えている状態にあります。

そうなると、買主は建物の収益より、土地としての使い方を考え始めます。

建て替えや、更地にしての転売が選択肢に入る段落。

鉄骨造でも、肉厚4mm超の34年なら築30年で残り4年。

肉厚3mm以下の19年なら、築30年の時点で11年超えています。

一方、鉄筋コンクリート造の47年なら、築30年でも残りが17年あります。

同じ築30年でも、構造によって買主が立てる計画が違うわけです。

税金の計算は、税理士に確かめてください

減価償却の年数は、売主の側の税金にも関わります。

建物の取得費は、保有中に償却した分だけ減っていく仕組み。

その結果、帳簿上の残りが少ない建物を売ると、譲渡所得が大きく出る場合があります。

この考え方は別の記事に書きました(一棟アパート・ビル売却の税金)。

ただし、個別の税額や有利不利の判断は、当社では出せません。

税理士に確かめてください。

当社サイトの売却シミュレーターは自宅の売却を前提に作ってあるため、一棟の試算には使えません。

築古の一棟は、誰が買うのですか?

築年数が進むと、買主の層が入れ替わります。

新しい一棟を探している人と、築古を探している人は別の人です。

ここを押さえておくと、売出しの方法を選べます。

逆に、買主の層が変わることを知らないまま売り出すと、反応が無い理由が分かりません。

3つの買い方で、見ている場所が違う

築古の一棟に手を挙げるのは、大きく3つの立場です。

  • 収益で見る投資家。いまの家賃と空室、修繕の予定を見る
  • 再販やリノベーションを手がける業者。工事の費用と、直したあとの姿を見る
  • 建て替えや自社利用を考える買主。建物ではなく土地の広さ・形・接道を見る

同じ建物でも、この3者が見る資料は重なりません。

投資家には賃貸の状況、業者には修繕の履歴、建て替え目的の買主には土地の資料が必要です。

どの資料も、売出しの前にそろえておくと、問い合わせのあとで止まりません。

反対に、資料が無いまま出すと、3つの層のどれにも十分な説明ができない状態になります。

当社は売主側の仲介として入り、どの層に向けて出すかを売主と決めてから売出しに入る形。

囲い込みはしないため、買主側に別の会社が付くこともある形です。

旧耐震かどうかは、別の分かれ目

築年数の数字とは別に、1981年6月より前の建築確認かどうかという線があります。

この線をまたぐかどうかで、買主が使える融資や、求められる資料が変わる形です。

築41年以上の290件には、この帯の建物が含まれています。

見分け方と売り方は、別の記事にまとめました(旧耐震ビル・一棟マンションの売却)。

自分の一棟の築年数と構造は、どこで確かめますか?

登記事項証明書と、固定資産税の課税明細書の2つで分かります。

査定を頼む前に、この2つを手元に用意してください。

一棟の査定では、この2つに加えて賃貸の状況が要ります。

部屋ごとの家賃、空室の数、契約の期限をまとめた表のこと。

管理会社に頼めば、同じ内容の一覧を出してもらえます。

依頼から査定書が届くまでの流れは、別の記事にまとめました(一棟の査定はどう頼む?)。

どちらも、売主ご自身で取れる書類です。

構造の表記が思っていたものと違う例もあるので、記憶ではなく書類で確かめてください。

登記事項証明書と課税明細書で見る

登記事項証明書の表題部に書かれているのは、建築年月と構造、それに床面積。

固定資産税の課税明細書にも、構造と床面積の記載があります。

2つが食い違う場合は、増築や用途変更が登記に反映されていない可能性を確かめます。

福岡市内の不動産の登記事項証明書は、福岡法務局で取れます(売却の窓口一覧)。

登記の構造表記の読み方

登記では「木造」「軽量鉄骨造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」などと書かれます。

軽量鉄骨造は、骨格材の肉厚が薄い側に当たる建物。

法定耐用年数の表では、同じ鉄骨造でも肉厚で3つに分かれていました。

そのため、登記の表記だけでは年数が確定しない場合があります。

竣工図や建築確認の書類が残っていれば、査定のときに一緒に見せてください。

検査済証が見つからない場合でも、代わりに取れる書類があります。

その探し方は、築古の売り方をまとめた記事に書きました(旧耐震ビル・一棟マンションの売却)。

次にやること

築年数と構造が分かれば、どの買主層に向けて出すかの相談ができます。

ここまでに出した数字は、どれも福岡市7区の10年分の実測です。

全数ではないため、ご自身の建物がどう評価されるかは、現地と資料を見てからの話になります。

それでも、築31年以上が3割を占めるという事実は、売り出す前の判断の材料になります。

福岡市の一棟ビル・一棟マンションの売却については、専用のページにまとめました(福岡市の一棟ビル・一棟マンション売却)。

当社は福岡市博多区の売却専門で、代表が最後まで担当します。

税理士・司法書士と連携して進める形です。

査定のご依頼は、一棟を選んだ状態のフォームから送れます(一棟の無料査定)。

建物の所在地と、登記事項証明書に書かれた建築年月・構造をお知らせください。

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この記事の目次1. 築30年を超えた一棟は、福岡市でどれくらい売られていますか?
2. 構造によって、取引の中身はどう違いますか?
3. 構造が変わると、何が変わるのですか?
4. 築古の一棟は、誰が買うのですか?
5. 自分の一棟の築年数と構造は、どこで確かめますか?
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