生成AI時代の不動産会社の選び方|2026住宅居住白書から
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士売却を頼む不動産会社を選ぶとき、生成AIを使っている会社かどうかは決め手になりません。
全国5,000人への調査で、不動産店選びで最も重視されたのは「担当者」でした。
「生成AIからの提案」を最も重視した人は、3.9%にとどまります。
そのうえで、住まいを探す側はAIを使って街の情報を集め始めています。
この記事は、福岡市で売却の依頼先を選ぼうとしている持ち主の方に向けて書きました。
担当者の質を見る方法に、「その地域の情報を発信しているか」という見分けの1項目を足すのが、この記事の提案です。
2. 不動産会社を選ぶとき、何が重視されていますか?
3. 売却の依頼先に、地域情報の発信は関係ありますか?
4. 地域の情報をきちんと出している会社は、どう見分けますか?
5. 担当者の説明の質は、どこで確かめますか?
6. おもいで不動産は、どんな情報を出していますか?
住まいを探す人は、生成AIで何を調べていますか?
住まい探しで生成AIを使ったことがある人のうち、最も多い使い道は「希望エリアの地域情報の収集・比較」で33.5%でした。
物件そのものより先に、街のことをAIに聞いている人が多いということです。
調査の素性と、読むときの前提
数字の出どころは、公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が2026年9月に公表した「2026 住宅居住白書」です。
2026年7月30日から8月5日にかけて、全国の20〜65歳の男女5,000人にインターネットで聞いています。
家を買う人だけを集めた調査ではありません。
賃貸に住む人や、しばらく住み替える予定のない人も含んだ数字です。
地域別の集計も「九州」までで、福岡県や福岡市だけの値は出ていません。
ですからこの記事では、「住まいを探す側の全国的な傾向」として数字を読みます。
使った人は3人に1人。使い道の1位は地域情報
住まい探しで生成AIを何らかの形で使った人は、5,000人のうち33.9%でした。
使ったことがある1,695人に絞ると、使い道は次の順に並びます。
| 生成AIの使い道(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 希望エリアの地域情報の収集・比較 | 33.5% |
| 不動産や契約の専門用語の解説 | 28.4% |
| 物件情報のメリット・デメリットの比較 | 27.6% |
| 条件の整理や悩みの相談 | 22.7% |
| 会社選びや問い合わせ文の作成 | 22.4% |
地域情報の33.5%は、会社選び・問い合わせ文の22.4%より11ポイント高い値です。
AIに「この物件は買いか」を聞くより前に、「この街はどうか」を聞いている姿が見えます。
年代で見ると、使ったことがある人は20代で53.4%、50代で19.6%、60歳以上で14.8%でした。
年代が若いほど利用は広がっていて、20代の割合は50代の2.7倍です。
50〜60代の売主の感覚より、家を探す側のほうがずっとAIに慣れていると考えておくと、ずれが少なくなります。
不動産会社を選ぶとき、何が重視されていますか?
不動産店を選ぶときに最も重視するものは「担当者」が25.0%で1位、「ネット情報や口コミなどでの評判」が18.7%で2位でした。
AIやデジタルの道具を使っているかどうかは、下のほうに並んでいます。
AIの提案3.9%、デジタルの道具1.7%は下位
同じ問いで「生成AIからの提案」を選んだ人は3.9%でした。
「オンライン内見や電子契約などデジタルツールを積極的に活用している」は1.7%です。
担当者の25.0%と比べると、生成AIの提案は6分の1にもなりません。
「ホームページやSNSの充実」も5.9%で、「CMや広告」の4.5%と大差はありませんでした。
この問いは1つだけ選ぶ形式なので、使っていない人がAIを軽く見ている、とまでは読めません。
それでも「最後にどこで決めるか」を聞けば、人と評判に票が集まるのが現状です。
担当者に期待されているのは、説明のわかりやすさ
担当者に最も期待することは「わかりやすい説明」が21.4%で1位でした。
2位は「メリットだけでなくデメリットも隠さず伝えてくれること」で19.1%、3位は「丁寧な接客」で17.4%です。
「取引に関する法律や制度の知識」は8.1%、「周辺環境の情報が豊富」は6.6%でした。
知識の量より、それを相手に分かる形で渡せるかどうかが見られています。
売主の立場に置き換えると、査定額の高さより「なぜその額なのか」を説明できる担当者を選ぶ、という話になります。
売却の依頼先に、地域情報の発信は関係ありますか?
関係はありますが、決め手ではなく「一つの戦略」くらいの重さで見てください。
買う側がAIで街を調べる以上、その街の情報をきちんと出している会社に頼むことは、物件を知ってもらう入口を1つ増やすことになります。
買う側は、物件より先に街を比べている
先ほどの調査では、AIの使い道の1位が地域情報でした。
街の相場や暮らしの様子を先に調べ、候補の区や駅を絞ってから物件を探す人がいるということです。
その段階でAIや検索が参照できる情報の多くは、誰かがネット上に書いて公開したものです。
区や駅の単位で相場や売却の事情を書いている会社は、その下調べの場面で名前を見てもらえる機会があります。
生成AIの使い方については、兄弟記事の買主の生成AI利用と値付けでも取り上げています。
「絶対の条件」ではない理由
ただし、発信している会社に頼めば早く売れる、高く売れるという話ではありません。
AIがどの会社のどの記事を拾うかは、会社の側からは決められないためです。
検索やAIの回答で上に出ることを約束できる会社は、どこにもありません。
住まい探しの入口も、いまはまだ物件情報サイトと不動産会社の紹介が中心です。
調査で現在の住まいを探した方法を聞くと、「SUUMO」が20.9%、「不動産会社からの提案・紹介」が13.6%でした。
「生成AIからの提案」は3.8%で、SUUMOの5分の1ほどです。
地域情報の発信は、これらの道を置き換えるものではなく、入口を1つ足すものとして見るのが実態に合う見方です。
地域の情報をきちんと出している会社は、どう見分けますか?
会社のホームページを開き、区や町名の単位で相場と売却の解説があるか、その情報に出典と更新日が書いてあるかを見れば、おおよそ分かります。
見るのは5分ほどで、査定を頼む前にできます。
区や町名の単位で相場が書いてあるか
「福岡市の相場は上がっています」だけでは、売る家に当てはめられません。
たとえば博多区では、直近2年でマンションが951件取引され、そのうち439件が30㎡未満の住戸でした。
区全体の中央値をそのまま出す会社と、面積帯や駅で分けて出す会社とでは、同じ博多区のマンションでも見せる数字が変わります。
3LDKの家族向けマンションを売る方にとって役に立つのは、後者の出し方です。
当社の集計の出し方は、福岡市博多区の不動産売却相場で具体的に見られます。
元になっている取引の記録は、国土交通省が誰でも見られる形で公開しているものです。
出典と更新日が書いてあるか
相場の数字に、どこから取ったのか、いつの時点なのかが書いてあるかを見てください。
出典が無い数字は、読む側が確かめようがありません。
更新日が無いと、2年前の相場を今の相場として読んでしまうおそれがあります。
当社の博多区のページでは、画面の上のほうに「対象期間 2024年第2四半期〜2026年第1四半期」と集計の範囲を出しました。
この書き方なら、読む側は「直近2年の取引の真ん中の値」だと分かったうえで数字を使えます。
AIに要約させて読む場合も、出どころと時点が書いてあれば、読み手が元の数字に当たり直せます。
地名を貼っただけの記事ではないか
題名に「福岡市」と付いていても、本文を読むと全国どこでも同じ一般論、という記事は少なくありません。
本文の地名を別の市に置き換えても意味が通るなら、その記事はその地域のことを書いていません。
区ごとの取引件数、駅ごとの価格差、区役所や法務局の窓口の話など、その土地でしか書けない中身があるかを見てください。
たとえば福岡市で不動産を売るときは、登記は法務局、固定資産評価証明書は区役所、確定申告は税務署と、窓口が分かれています。
こうした分担まで書いてあれば、書き手がその土地で実際に手続きをしていることが読み取れます。
当社がまとめたものが福岡市7区の手続き窓口ガイドです。
担当者の説明の質は、どこで確かめますか?
査定の場で、担当者が良い点より先に注意点を話すか、契約を急がせないか、他社と比べることを嫌がらないかで確かめられます。
どれも、調査で「安心できる」と答えた人が多かった項目です。
注意点を先に言うか
安心できる支援を複数回答で聞いた問いの1位は、「物件の良い点だけでなく、注意点も正直に教えてくれること」で48.4%でした。
前の年より2.7ポイント上がっています。
売却の相談なら、「この家は、ここで値段交渉を受けやすいです」と最初に言ってくれるかどうかが目安になります。
売主の側が注意点を先に伝える意味は、兄弟記事の注意点を先に伝える売主で書きました。
時間をかけて説明し、無理な提案をしないか
同じ問いの2位は「契約前に十分な時間をかけて説明してくれること」で32.8%でした。
「予算や希望条件に合わせて無理な提案をしないこと」が30.0%、「専門用語を使わず、わかりやすく説明してくれること」が29.2%で続きます。
査定の当日に媒介契約(売却を頼む契約)の署名を求められたら、いったん持ち帰って構いません。
媒介契約の種類ごとの違いは、媒介契約の種類のページにまとめています。
他社と比べることを嫌がらないか
「セカンドオピニオンとして他社との比較も推奨してくれること」を挙げた人は14.2%でした。
順位は下のほうですが、売主にとっては見分けやすい項目です。
「ほかでも査定を取ってみてください」と言える担当者は、自分の出した額の根拠に自信があります。
何社に頼むのがちょうどよいかは、不動産査定は何社に依頼する?で扱いました。
免許番号や行政処分の有無は、不動産会社の行政処分の調べ方の手順でその場で確かめられます。
おもいで不動産は、どんな情報を出していますか?
当社は、福岡市7区と市内の沿線ごとの相場ページ、売却の解説記事、よくある質問をもとに答えるAIチャットを公開しています。
これで検索やAIの回答に必ず出る、という約束はできません。
そのうえで、福岡市で家を探す人が下調べの段階で触れられる情報を、出典つきで置いておくことを続けています。
区ごとの相場の入口は福岡市の売却相場、駅ごとの数字の入口は沿線ごとの相場です。
どちらも国土交通省の不動産取引価格情報をもとに当社が集計したもので、ページに出典と更新日を載せています。
夜中に浮かんだ疑問は、AIチャットで聞いていただけます。
査定額や個別の税金の判断はチャットでは行わず、担当者が引き取る決まりです。
当社は(公社)福岡県宅地建物取引業協会の会員で、免許番号などは会社概要に載せています。
売り方そのものに迷っている段階なら、先に読んでほしいのは4つの売り方の比較です。
仲介・買取・リースバック・じぶん売却の違いが分かると、担当者に聞くことも絞れてきます。
会社を決める前に一度話を聞いてみたい方は、無料査定で「まずは相談だけ」とお書きください。
