【2026年】福岡市7区の基準地価ランキング|自宅の区は何%上昇?
執筆・監修:野上俊彦株式会社おもいで不動産 代表取締役/宅地建物取引士
執筆・監修:野上俊彦代表取締役/宅地建物取引士令和8年の基準地価(都道府県地価調査)で、福岡市の7区はどこも住宅地の地価が上がりました。
ただし、上がり方は7区すべてで前年より小さくなっています。
住宅地でいちばん上がったのは早良区の6.7%、いちばん小さかったのは東区の3.9%でした。
この記事は、福岡市内に自宅や実家を持ち、売るかどうかを考えている方に向けて書いています。
自分の区の数字を前年と比べて確かめたい方は、最初の表だけでも役に立つはずです。
ただ、区の平均は、あなたの家の値段そのものではありません。
株式会社おもいで不動産の野上俊彦が、国土交通省の資料から7区の数字を拾い、売主として読むときの注意点まで順に書きます。
福岡県・福岡市全体の結果と、基準地価そのものの説明は令和8年の基準地価の記事にまとめました。
2. なぜ7区すべてで上がり方が縮んだ?
3. 区ごとに見ると、売主はどこに目を向ければいい?
4. 同じ区の中で、地点によってどれくらい違う?
5. 区の数字を、自分の家の売却にどう使えばいい?
福岡市7区の基準地価、令和8年はどう動いた?
住宅地は7区すべてで3.9〜6.7%上がり、すべての区で前年より上がり方が1.1〜2.9ポイント小さくなりました。
福岡市全体の住宅地は5.5%で、前年の7.2%から1.7ポイント縮んでいます。
住宅地の変動率を前年と並べる
変動率は、同じ地点の価格が前の年からどれだけ動いたかを、区の中で平均したものです。
| 区 | 令和7年 | 令和8年 | 差 |
|---|---|---|---|
| 早良区 | 8.5% | 6.7% | 1.8ポイント縮小 |
| 城南区 | 7.8% | 6.4% | 1.4ポイント縮小 |
| 西区 | 8.0% | 6.2% | 1.8ポイント縮小 |
| 中央区 | 7.7% | 6.0% | 1.7ポイント縮小 |
| 博多区 | 8.1% | 5.2% | 2.9ポイント縮小 |
| 南区 | 6.4% | 4.5% | 1.9ポイント縮小 |
| 東区 | 5.0% | 3.9% | 1.1ポイント縮小 |
上がり方が4%を超えなかったのは東区だけで、残りの6区は4.5%以上でした。
縮み方がいちばん大きかったのは博多区で、前年の8.1%から5.2%へ、2.9ポイント下がっています。
東区は縮み方がいちばん小さく、1.1ポイントでした。
住宅地の平均価格で見る
1㎡あたりの平均価格を並べると、区による値段の差がはっきりします。
| 区 | 令和7年 | 令和8年 |
|---|---|---|
| 中央区 | 478,000円 | 509,200円 |
| 早良区 | 260,100円 | 275,900円 |
| 博多区 | 244,000円 | 257,100円 |
| 城南区 | 218,900円 | 232,200円 |
| 南区 | 212,000円 | 222,800円 |
| 東区 | 131,800円 | 137,700円 |
| 西区 | 118,500円 | 126,400円 |
中央区は西区のおよそ4倍です。
30坪(約99㎡)に当てはめると、中央区は約5,040万円、西区は約1,250万円になります。
ただし平均価格は、区の中の基準地の価格を単純に平均したものです。
どの地点が入っているかで値が変わるので、区どうしを比べる目安として見てください。
なぜ7区すべてで上がり方が縮んだ?
国土交通省は、地価と建築費が上がって住宅を買う人が慎重になり、福岡市の多くの地域で需要が落ち着いたためと説明しています。
区ごとの理由は書かれていないので、ここでは国の説明と数字から言えることだけを書きます。
国土交通省が挙げた理由
国土交通省の説明によると、福岡市の住宅地で需要が強いのは、鉄道沿線で交通の便がよい地域と、富裕層向けのマンションの販売が見込まれる地域です。
そうした地域では、高い上昇が続いているとされています。
一方で、地価や建築費の上昇によって、住宅を買うことに慎重な動きも出ています。
そのため多くの地域で需要が落ち着き、市全体として上がり方が縮んだ、というのが国の見立てです。
7区がそろって縮んだのは、この説明と合っています。
「縮んだ」は「下がった」ではない
東区の3.9%も、前の年からさらに3.9%上がったという意味です。
7区のどこにも、平均が前年を下回った区はありません。
当社は先の値動きの予想を書きません。
売り出す時期は、地価の傾きより、ご家族の事情と住み替えの段取りで決めるほうが後悔が少ないと考えています。
区ごとに見ると、売主はどこに目を向ければいい?
都心の中央区・博多区はマンションの取引が中心で、早良区・西区は区の中の南北や駅ごとの差が大きい区です。
城南区・南区・東区は、戸建てとマンションの両方が動きます。
区の変動率に加えて、区の中のどこにあるかを見ることが欠かせません。
中央区・博多区(都心の2区)
中央区は住宅地6.0%、博多区は5.2%でした。
どちらも平均価格が高く、取引の中心はマンションです。
当社の集計では、中央区は直近2年でマンションが1,109件取引された一方、戸建ては56件でした。
博多区はマンション951件のうち439件が30㎡未満の住戸です。
マンションの価格は築年数や広さで大きく変わるので、地価の変動率だけでは判断できません。
買う側がまず比べるのは、同じマンションや近くの似た築年数の住戸がいくらで出ているかです。
売る前に、管理費・修繕積立金の額と、大規模修繕の予定を手元にそろえておくと、比べられたときに説明ができます。
区ごとの中央値は中央区の売却相場の記事と博多区の売却相場の記事で整理しています。
早良区・西区(南北・東西に広い2区)
早良区は住宅地6.7%で7区の中でいちばん上がり、西区も6.2%でした。
どちらも区の面積が広く、駅に近い北側と山あいの南側・西側で値段の考え方が変わります。
当社の集計では、早良区は土地の値段が区の北と南で3倍ほど、西区は駅によって土地の㎡単価が3.7倍ひらいていました。
区の平均の6%台が、区の端の土地にもそのまま当てはまるとは考えないでください。
土地や戸建ての場合、値段を左右するのは駅からの距離に加えて、前の道路の幅や敷地の高低差です。
同じ町内でも、道路が狭く車が入りにくい土地は、平均から大きく離れることがあります。
詳しくは早良区の売却相場の記事と西区の売却相場の記事にあります。
城南区・南区・東区(戸建ても動く3区)
城南区は6.4%、南区は4.5%、東区は3.9%でした。
この3区は、マンションと戸建ての両方がまとまって取引されているのが特徴です。
当社の集計では、城南区はマンション153件・戸建て146件と、ほぼ同じ数でした。
戸建ての売却価格は土地と建物の合計なので、地価が上がっても、建物の評価が下がるぶんと差し引きです。
東区は7区の中で上がり方がいちばん小さかった一方、香椎・千早の駅の近くと東側の丘陵地では値段の考え方が違います。
同じ区の中で、地点によってどれくらい違う?
福岡市内の住宅地で最も上がった地点と最も上がらなかった地点は、どちらも早良区にあり、10.7%と0.7%で15倍ほどの差がありました。
区の平均がどれだけ幅のある数字をならしたものか、この例でよく分かります。
早良区の10.7%と0.7%
国土交通省の表では、福岡市の住宅地で変動率が最も高かったのは早良区次郎丸3丁目の地点で、10.7%でした。
最も低かったのは早良区西入部2丁目の地点で、0.7%です。
次郎丸は地下鉄七隈線の次郎丸駅がある地域で、西入部は区の南部にあります。
国が「鉄道沿線の交通利便性の高い地域で需要が堅調」と書いていることと、この差は重なって見えます。
早良区の6.7%という平均は、この2つの地点を含む区内の地点をならした結果です。
この2つの地点は、基準地価の調べ方で番号から引ける形にしてあります。
商業地でも、箱崎14.6%と天神0.3%
商業地でも同じことが起きています。
福岡市の商業地で最も上がったのは東区箱崎1丁目の地点で14.6%、最も小さかったのは中央区天神1丁目の地点で0.3%でした。
区ごとの商業地の平均変動率は次のとおりです。
| 区 | 令和7年 | 令和8年 |
|---|---|---|
| 西区 | 11.3% | 10.3% |
| 早良区 | 13.1% | 10.1% |
| 博多区 | 11.0% | 8.5% |
| 南区 | 9.2% | 8.4% |
| 城南区 | 10.7% | 8.1% |
| 東区 | 7.9% | 7.1% |
| 中央区 | 8.9% | 6.4% |
商業地も7区すべてで上がり方が縮みました。
天神のある中央区が7区でいちばん小さく、6.4%でした。
住宅地で7区中いちばん低かった東区も、商業地は7.1%上がっています。
同じ区でも、住宅地と商業地でまったく違う動き方をするということです。
区の数字を、自分の家の売却にどう使えばいい?
区の変動率は「その区の土地の傾き」として受け取り、実際の値段は区の成約データと、自宅に近い基準地、査定の3つを並べて確かめるのが確実です。
区の数字1つで売り出し価格を決めると、高すぎても安すぎても損をします。
区ページの成約データと並べる
当社の福岡市の売却相場のページでは、国土交通省の取引価格情報をもとに、区ごとのマンション・戸建て・土地の中央値と取引件数を載せています。
基準地価が土地の値段の動きを示すのに対し、こちらは実際に取引された値段です。
たとえば早良区なら早良区の相場のページ、博多区なら博多区の相場のページを開き、自分の物件の種類と広さに近い行を見てください。
地価の上がり方と取引価格の水準を両方見ると、区の中での自分の家の位置が見えてくるはずです。
近くの基準地を探し、査定の根拠と照らす
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、地図から基準地と地価公示の地点を探せます。
自宅と駅からの距離や道路の条件が近い地点の動きは、区の平均より参考になります。
査定を頼むときは、どの地点や取引事例を比べて金額を出したのかを聞いてください。
根拠の地点が自宅とかけ離れていれば、その査定額は割り引いて受け取る必要があります。
地価がこの15年でどう動いてきたかは福岡市の基準地価の推移の記事にまとめました。
当社では、近くの基準地と取引事例を並べたうえで根拠つきの査定額をお出しします。
売るか決めていない段階でもかまいませんので、無料査定からご相談ください。
